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思い出したくない事 11話
***
yoshiからの返事はまだ無い。
いつもなら返事は早いのに。
恋人と居るから?
恋人との時間の方が楽しい?
嫉妬で狂いそうになる。
1人で居ると辛すぎる。
だから、
つい…拓海に電話をしてしまった。
「ナオさん」
玄関のドアを開けると拓海が居た。
「拓海」
笑顔で招き入れる。
「めちゃ嬉しい!ナオさん」
玄関で抱きつかれる。
「急にごめん」
拓海を抱きしめて謝る。
「ううん、でも嘉樹居るんじゃ?」
「友達の所らしいよ」
「友達?へえ…」
友達って恋人かな?
拓海もそう考えた。
だから?
だから…呼ばれた?
でも、良い。必要とされるのなら。
「嘉樹居ないんなら声我慢しなくて良いね。リビングででも出来るじゃん」
悪戯っ子みたいに笑う拓海に直は、
「ばか」
つい、笑う。
「ねえ…嘉樹の部屋でやらない?」
「えっ?」
「いいじゃん…嘉樹居ないし」
拓海はそう言うとナオに唇を押し付けた。
どうせ、嘉樹の代わりだと知っている拓海の精一杯の意地悪。
「いいよ」
ナオは承諾するとyoshiの部屋へと拓海を連れて行く。
いつも彼が寝ているベッド。
使っているシーツ。
拓海を押し倒し、キスを繰り返す。
嘉樹…
いま、こんな風に誰かを抱いているのだろうか?
yoshiの匂いがするベッドで拓海を激しく抱く。
*******
緊張するなと言われても緊張するし、
覚悟を決めていても、心拍数は上がりっぱなし。
バスローブを着せたれたyoshiは何故か椅子に座らせられた。
椅子プレイ?
なんて思っていると、豊川がドライヤーを手にしてyoshiの髪を乾かす。
あ、なる程!
エロい思考回路にすぐに行ってしまう自分が恥ずかしくなる。
豊川の大きな手が髪をかわかしてくれるのが照れくさい。
小さい子みたい。
ドライヤーの音が止まり、
「嘉樹」
と名前を呼ばれ、
ああっ!ついにきたーっ!
と身体が硬直する。
頭をふいに撫でられ、俯いていたyoshiは顔を上げた。
「…んっ」
キスをされて、豊川の手がyoshiを引き寄せると抱き上げた。
yoshiも両手を回し、キスをしたまま抱きつく。
女の子みたいな扱いなのだけど、何故だろう?
嬉しい!
ベッドに下ろさせると唇が離れた。
「緊張しまくりだな嘉樹」
豊川は笑う。
ガチガチに緊張しているのが抱き上げた時に伝わっていた。
でも、止められない。
もし、yoshiが途中で嫌だと言っても止める自信がない。
「緊張するよ!馬鹿!」
顔を赤らめて悪態をつく。
可愛い!
凄く触れたくなり、yoshiが着ているバスローブの前をはだけさせた。
バスローブの下は何も身につけてはいない。
一気に剥ぎ取っても良いのだけど、楽しみたい。
ガチガチに緊張したyoshiが段々と乱れて行く姿がみたい。
豊川の手が伸び、バスローブをはだけさせた。
きたーっ!
yoshiは恥ずかしさで俯いてしまった。
調子が狂う!
今までの男達には自分が有利になれたし、昨日までは豊川にも強気になれたのに。
いざ、本番となると、
ガチガチに緊張する。
しかも、お風呂でイッてしまったし。
でも、バスローブってエロい。
少しづつ、バスローブがはだけていくのに、肝心な部分は隠れている。
女の子に着せたがる野郎の気持ちがなんとなく分かった。
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