85 / 275

ため息

******* yoshiは机に伏せてぐったりしていた。  すると、急に首筋にピタッと冷たい感触、 「うわっ、」 yoshiは驚いて声をあげる。 「嘉樹くん、お疲れだね」 クスクス笑う佐久間の声。  振り向くと、冷たく冷えた缶コーヒーが目の前に差し出された。 「どうも」 受け取ってお礼をいう。 「社長は?」 「社長は朝ご飯買いに行ってますよ」 「朝ご飯?社長が食べるの?」 佐久間はちょっと驚いているようだ。 「なんで、驚くの?」 「いや、社長って朝ご飯食べないって言ってたからさ、あっ、それよりさ、嘉樹くんちょっと良い?」 佐久間は手招きをする。 が、  yoshiは立ち上がる気力があまりなく、 「ここじゃダメ?」 と聞く。 「どうしたの?具合悪い?そう言えばグッタリしてたもんね」 佐久間は心配そうに聞くが、yoshiは本当の事なんて言えない。 「ちょっと」 笑って誤魔化す。 「嘉樹は重い荷物を運ばせ過ぎて、ぎっくり腰気味なんだよ」 真後ろで豊川の声。  「社長。おはようございます、えっ?嘉樹くん、腰痛めたの?」 佐久間は豊川とyoshiを交互に見る。  「うん…まあ」 腰痛めたのは誰のせいだよ!  yoshiは豊川を睨む。 睨むyoshiに豊川は微笑み返す。 「で、何の用だ?」 「夕べ、社長に電話したんですけど気付きました?」 その言葉で豊川は電話の着信を確かめる。  光一からは気付いていたけど、…って、いうか…光一の着信が半端ない。 20件以上、その中に1件だけ佐久間の番号があった。 「悪い、夕べは大事な仕事があってね。気付いてなかったよ、何の用だったんだ?」 豊川はスマホをしまう。 「そうですか~忙しいですからね。まあ、用って言うか、…嘉樹くん借りて良いですか?」  「はっ?」 豊川とyoshiの声が同時に発せられ、佐久間はえっ?…とビビってしまった。  なんか?変な事言ったっけ?と焦る。

ともだちにシェアしよう!