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愛情 3話

******* ナオは洗濯をしながら携帯をチェックしている。 洗っているのは夕べ汚してしまったyoshiのシーツ。 スマホをいくらチェックしてもyoshiからの返信はない。 前は自分からの連絡ならすぐに返信して来たのに、…なんて寂しくなる。 シーツを干す為にスマホをジーンズの後ろポケットに入れようとした途端にメール受信の音楽がなり、慌てて表示を見た。 拓海から。 嬉しくないわけじゃない!恋人なのだから嬉しくないわけはないのだけれど、少しガッカリした自分が居る。 ラインには、 『 朝ご飯ありがとう。美味しかった。それと、シーツ洗濯するはめになってマジでごめんなさい! でも、気持ち良かったから、今夜も盛り上がっちゃう?』 と書かれていた。 今夜の誘い。 yoshiは帰って来るのだろうか? 帰って来ないのなら寂しさでどうにかなりそうで、 盛り上がっても良いよ。 なんて返信してしまった。 すぐに拓海から返事が来て撮影が終わり次第に連絡するとあった。 了解と返信した後にため息つく。 拓海を大事にしなければいけない。 こんなにも自分を愛してくれる。 だから…… だから、早くyoshiを忘れなければ。 ******** 「社長、嘉樹君専属にしたい」 撮影を休憩にし、佐久間は豊川の側に来るなり、そう言った。 「専属?」 「はい。こんなにイメージピッタリの子なんていないですよ。今回は企業用と店頭用のパンフの撮影ですけど、雑誌とか広告とかに彼を使わせて下さい」 佐久間は真剣な顔で豊川に深く頭を下げる。 それは…願ってもない事だけど…。 豊川は悩んだ。 「もちろん良いよ」 そう言ったのは光一。 「お前…」 「良いチャンスじゃないか!」 張り切る光一に豊川は、 「まずは本人に聞かないと」 あまり乗る気ではない返事を返す。 「じゃあ聞きに行こう」 と光一は休憩を取っているyoshiの側に行く。 …が、さっきまで居たはずのyoshiの姿がない。 「あれ?嘉樹は?」 近くに居た灯に聞く。 「トイレですよ」 「ああ、トイレね」 わざわざトイレまで言いに行くと余計に断られそうなので、光一は待つ事にした。 ******* やばいなあ… yoshiはトイレの洗面台で息を深くつく。 撮影途中から目眩がし始めて倒れそうだった。 仕方ないかな? 時間を惜しむ程に愛し合ったんだから。 目眩はきっと寝不足と緊張から。なんてyoshiは思う。 タケル、マジで体力有り過ぎ! でも、俺の方が若いんだから体力的にも負けてないはずなのになあ。 なんて考えたら夕べの豊川と事務所での豊川の姿を思い出した。 自分の上で汗ばんで喘ぐ姿は凄く色っぽい。 それに上手い! かなり気持ち良くって、エッチってこんなに気持ち良いんだって知った。 そして、撮影の間中、豊川に見つめられ、彼を欲しくなった。 俺、こんなに淫乱だっけ? なんて考えてたら目眩が襲ってきた。 その場に座り込む。 う~、なんか気持ち悪い…タケル…。 豊川に電話しようとポケットを探るが、電話を忘れて来た事を思い出す。 戻るしかないか? と立ち上がろうとしても立てない。 「おい、大丈夫か?」 真後ろから声が聞こえて、少し顔を上げた。 げ、…拓海。 一番会いたくない人物。拓海が居た。 拓海もyoshiだと気付いたみたいで、 「何やってんだよ」 と近付いて来た。 絶対に話したくない! yoshiはフラつきながらに無理立ち上がり、無視して行こうとする。 「おい、」 フラついて拓海に支えられてしまった。 う~、触られたくないのに! 「お前1人か?」 拓海の質問にyoshiはつい首を振って答えてしまった。 あ~、もう!無視したいのに! 「じゃ、社長と一緒か?」 yoshiは頷く。 「ちょっと歩けるか?」 その質問にも頷く。

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