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愛情 7話
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yoshiはマンションに着いても泣き止む様子はない。
そんなにキツく叱ってはいないから、泣いている理由は病院?
小さい子供みたいだなと様子を見ながら豊川は思う。
コンコンッ、
窓ガラスがノックされ豊川はそちら側を向く。
光一が何か言いたげに中を覗き込んでいた。
「お前、何で病院行かないんだよ」
窓ガラスを下ろすと怒ったような光一の口調。
路肩に停車した豊川の車が走り出した途端に車線変更をして、光一はキョトンとした。
車が向かう方向は間違いなく、豊川のマンション。
どういうつもりだ、アイツ!
地下駐車場に停車した豊川の車を見つけ、文句を言う為に車の窓ガラスを叩いた。
「連れて行くつもりだったんだけど、今の状態じゃ無理だと判断した」
「は?」
豊川の説明に更にキョトンとなるが、車内のyoshiの様子に気付いた。
あの時みたいだ…。
小さい子供みたいに震えて泣く。
豊川の腕にしがみついているyoshi。
マンションよりも病院が良かったのではないのかと思った。
「病院を嫌がってね、とりあえずは休ませたいから光一、ドア開けてくれ」
何故にドアを?と思いながら、ドアを開けると豊川がyoshiを抱きかかえて部屋まで歩き出す。
しっかりと豊川にしがみつくyoshiになんだか複雑な気持ちになる光一。
なんだよ…、
俺の息子なのに。
yoshiはやたらと豊川に懐いている。
部屋のドアも光一が開けた。
ソファーに豊川はyoshiを降ろすがしがみついて彼は離れない。
「光一、冷蔵庫から水取ってくれないか?」
豊川に言われ、光一はキッチンへ向かった。
その間に手を伸ばし、ソファー近くのテーブルの上にあるyoshiのスマホを取り、彼の上着のポケットに入れた。
愛し合っている事をまだ言えない。
いつかは言わないといけないけれど、まだ…言えない。
「嘉樹、マンション着いたぞ、病院じゃないから…大丈夫だぞ」
しがみつくyoshiの耳元で囁く。
さっきよりは落ち着いているようだけど、離れてはくれない。
頭を撫で、安心するようにキツく抱きしめる。
光一は冷蔵庫の中にある、水が入ったペットボトルを手に考えていた。
小さい子供みたいになるyoshi。
病院に行くのが嫌だと泣く…。
大人になった男性がする事じゃない。
やっぱり、幼い頃の虐待のせいかな?
これも、ナオに聞いてみよう。彼からはもっとyoshiの事を聞かないと。
なんだか…自分の息子なのに第3者みたいになってる自分が居る。
yoshiも自分より、ナオやマコト…そして豊川に懐いているのが、なんだかなあ…
ナオやマコトはまだ分かる!小さい頃から懐いていただろうから。
でも、豊川は小さい時にそんなに関わっていないはず。
なのに、どうしてあんなに懐くのだろう?
水を持って豊川とyoshiが居る場所へ戻る。
が、…いない。
あれ?とウロウロする。
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抱きしめている彼の力がフッと抜けて、顔を覗き込むとyoshiが寝息を立てている。
豊川はyoshiを抱えて寝室へと向かう。
ベッドに寝かせると、今朝も2人で乱れていた事を思い出す。
可愛くて可愛くてたまらない。
泣き疲れて寝てしまった彼も可愛くてたまらない。
まだ濡れている目尻の涙を指で拭う。
「た…ける、」
yoshiが名前を呼ぶから返事を返すが、どうやら譫言のようで、名前を呼んでくれる事が嬉しくなる。
そのまま顔を近づけ、yoshiのオデコや頬にキスをしてゆく。
「…ん、」
眠っていても感じているのか甘い声を漏らす。
このままyoshiが起きたら抱いてしまいたくなる。
が、足音に気がつき、yoshiにシーツをかけた。
「水…って、嘉樹寝たのか?」
寝室に顔を出す光一。
危うく光一の存在を忘れそうだった。
「寝たよ。」
豊川は光一が手にするペットボトルを受け取り、ベッドのそばに置いた。
寝室を2人で出る。
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「嘉樹、ずいぶんお前に懐いているよな」
ふてくされたような顔の光一。
「ヤキモチか?」
「そーだよ!ヤキモチだよ!」
光一は切れながらソファーに座る。
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