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君の手 7話

「じゃあ…ご飯とか作りに行ったり、泊まりに行っても良いんだよね?」 yoshiは確認するように豊川に聞く。 「もちろん!嘉樹用にパジャマとか色々買っておくよ」 「パジャマはいらないよ、タケルのシャツ借りるもん」 yoshiは豊川に抱き付く。  ぎゅっと抱き付くyoshiの頭を豊川は撫でる。 「甘えん坊だな嘉樹は」 「甘えるのはタケルにだけだよ…だって、」 だって、タケル以外誰も居ない。  愛してくれるのはもう…タケルだけ。  優しい手が頭を撫でる。 温かい。 凄く温かい。  「タケル…キスして」 yoshiは顔を上げる。 豊川はyoshiの頬に手をあて、彼の唇にキスをする。 軽いキスだけをするつもりだったのにyoshiの両手が豊川の顔を押さえるように伸びてきて、豊川の口内にyoshiの舌が絡んできた。  激しいキス。  豊川も答えるように深いキスを返す。 コンコン、 ドアがノックされて二人は離れた。  「社長、車はもう下に回しますか?」  ドアの向こうからアキの声。  「ああ、もう出るよ」 そう返すとアキは「分かりました」とドアから遠ざかった。  「さて、行こうか?」 豊川はyoshiの手をぎゅっと握った。  温かい手。  その手を握り返す。  「タケルの手は温かくて好き」 「そうか?」 「うん、温かい…タケル、今夜も行っていい?」 「もちろん」 豊川はニッコリと笑った。  「じゃあ、今夜も作るね。何がいい?」 「あ、リクエストある」 「えっ?なになに?」 yoshiが笑顔で聞くと、  「裸エプロン」  真顔で答える豊川。  「タケル…」 yoshiは呆れたように豊川を見上げた。  「なんて、冗談だよ」 豊川は笑う。  「…まあ、そんなに言うならやっても良いけどね」 yoshiはそう言ってもう一度、手を強く握った。

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