117 / 275

愛しい人 5話

****** なんて、無防備なんだろう? 豊川はソファーで熟睡しているyoshiを見てそう思った。 何時ものように早めに出勤すると、先に男の子が入って行ったよ。と警備員の男性に言われ、 yoshi?と少しニヤニヤと期待しながら社長室のドアを開けた。 見事に熟睡中のyoshiがソファーに横たわっているのだ。 誰かに襲われたらどうするんだ? 足音を立てないように彼に近付く。 寝顔が可愛過ぎる! 童顔なyoshiは寝ていると更に幼くて可愛い。 二十歳には見えない彼。 yoshiを抱く度に罪悪感が芽生えたりもする。 子供に手を出す変態オヤジ。 世間から見たらそうだろう。 でも、抱くと誰よりも妖艶で、色っぽくなるのが不思議だ。 柔らかいyoshiの髪に触れる。 ふわふわな髪。 手は頬に移動し親指で唇をなぞる。 白い肌は性欲をそそる。 ピンク色の柔らかい唇にキスを落とす。 幼稚園の頃に読んでもらった絵本を思い出した。 王子が眠った姫をキスで起こす話。 ……そうだな。大事なお姫様かな? 守りたい大事な人。  そんな人は一生現れないと思っていた。 身体だけの相手なら何人も居た。 でも、心から愛しく思った相手はyoshiだけ。 守りたいと思ったのもyoshiだけだ。 豊川はオデコにもキスを落とす。 閉じた瞼にも、頬にも、薄く開いた唇にもう一度キスをして、彼の口内へ舌を挿入させる。 欲情してしまう。  こんなに無防備で、無邪気な顔で眠られたら、手を出したくなるに決まっている。 くちゅ、舌を絡ませる度に音がする。 まだ、yoshiは目を覚まさない。 キスをしたまま、yoshiが着ているシャツのボタンを外していく。 なかなか目を覚まさないyoshi。  寝た振りかな?なんて思ったが、そうではないらしい。 全く…これじゃ1人に出来ない。  いつ、変な野郎に犯されるか分からない。  キスをした後に首筋を舐めていく。  「…んっ、」 初めて反応を示したyoshi。  もっと声が聞きたい。 豊川はジーンズに手をかける。 ……んっ、気持ちいい…。yoshiは夢うつつで感じている。 柔らかい何かが首筋に当たり、生暖かいヌルッとした感触がした。 その後に唇に柔らかいモノが押し付けられ、ヌルリとしたモノが口内に入って来た。 「…んっ、」 yoshiは思わず声を出した。 何? さっきから気持ちいいんだけど? 気持ちいい正体を知りたくて目を開けた。  「おはよう。お姫様」 ニヤリと笑う豊川。 えっ?  あれ?  「たけ…る?」 目の前には豊川。  うん?…えっと、  少し起き上がり、ぼんやりとした顔で豊川を見つめる。 まだ寝ぼけているようなトロンとした瞳。  寝起きのyoshiも凄く可愛い。  「まだ寝ぼけてる?」 豊川は手を伸ばし、yoshiの頬を撫でる。 上着が脱がされているのにもyoshiは気付かないようで、ぼんやりとしたままソファーに座り直した。 まだ眠いのか座ったままでウトウトするyoshi。 か わ い い!  小さい子供がお昼寝する前みたいだ。  思わず、豊川は笑ってしまう。  その声で瞑っていた大きな瞳を開いて上目使いで豊川を見つめる。  何か言いたげに薄く開いた唇。  ヤバい!  今すぐ抱きたい!

ともだちにシェアしよう!