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第10話:【勝者が正義なら可愛こそ正義だ 】あひいいぃい!!!
店員が縫いぐるみとその他の装飾品を包装している姿を見て五十嵐は満足げに一人頷いた。
鞄から財布を取りだし機嫌よく笑う。
兄崎はその笑顔が実にムカついた。
殴りたい。
「色んな人間が、触ったのです。しかし、僕の様に奪ってでも自分のものにしようとした男は居ないはずだ。今なら僕のものにできる。きっとこの子も望んでいるはずだ。たった一匹、天上から下界を見下ろす捕らわれの愛らしい天使!僕たちは運命が結びつけた永遠の恋人…って、あれ?――っああああああああああ!!!!?あひいいいいぃい!!!」
「ななな、なんだい!あひぃとか間抜け声だして!五十嵐ってば訳わかんない。」
フレデリックは奇声を上げ蒼白になる五十嵐の頭を軽くはたく。
「あへ声とか言わないでください破廉恥な!」
「破廉恥は君だろ。」
「フレディ君みたいに、騎乗位で攻められてアンアン言ってる人と一緒にしないでください。」
「今度は下ネタかよ。五十嵐マジでもう許してよ、勘弁してよ。」
兄崎は顔を覆った。
「だ、誰が…。」
フレデリックは顔を真っ赤にして怒り出す。
「初めは偉そうに余裕ぶって攻める気満々なのにベッドに上って数分でノックアウト。お相手のバキュームフェラで昇天した後、騎乗位でのスーパーテクですっからかんになるまで搾り取られたとか。フレディ君のナニは大きくて少しふにゃっとしてるのが可愛くて気持ち良いって。ぷぷ。主導権握って相手を滅茶苦茶に泣かせる予定が逆に泣かされまくってアソコとセックステクの評価までされちゃうなんて。ひぃいい。可笑しい。堪りません。萌え萌えですねアンアン言わせるどころか言わせられる攻め!!ふはっ。好物です。俺様ヘタレで羞恥プレーですか。」
口を大きく開き唖然とした兄崎とは逆に、フレデリックは怒りで震えてる。
「あ、アイツか。朝比奈 更紗あの野郎。ぶっっ殺す。あんの腐れマンコの糞ビッチめ。」
兄崎は眼を剥いてフレデリックを見て、ぎこちなく首をねじり五十嵐を見た。
五十嵐は目を丸くしきょとんとした表情から、ぱぁっと輝かんばかりの笑顔を浮かべる。
背後にピンクの花が散っていそうだ。その輝く表情を見て、兄崎とフレデリックは「あ、引っかけたのか」と勘付いた。
しかし、もう遅い。
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