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第12話:【勝者が正義なら可愛こそ正義だ 】お金がっ!あと529円しかありません
「へぇ、フレディ君。彼の腰両手で掴んだことあるんだ。騎乗位の時ですか?」
「あ、いや、それは。」
「成程、腰を両手で掴んで下からガンガン突き上げて、主導権握るつもりで握られたんですね!!!朝比奈君ってベッドの上では別人になるタイプですか?攻め様に耳元でささやかれただけで、赤面涙目の健気受けで、「体は正直だなおい」とか言われそうなタイプかと思いきや、まさか俺様攻めを泣かせるほどの魔性の床上手だったんですかあああ。あの美少女みたいな見た目でバキュームフェラして、あの可憐な見た目で騎乗位で攻めてたんですか。ひえええええ。清楚清純に見えて魔性の床上手。ギャップ萌え。」
「煩い黙れ。何が囁かれただけで赤面する、だ。何処をどうすれば、アレがそんな健気で可愛い初心な少女じみたキャラになるんだよ。アイツは人のチンコ喜々として苛めながら「体は正直ですね」って笑うような悪魔だぞ。喜々として男に跨って腰振って連続中イキするようなAV女優もどきのチンコ大好き腐れビッチだぞ。…いやいや、これは実体験じゃなくて、俺の想像で…優紀、そんな目で見ないで、オズにだけは、オズにだけは言わないでえええ。おぉおお、神よおおおお。」
「俺様攻めと魔性の床上手!イャフォオオオォォォ」
「うるさあああい!!サラも五十嵐も大嫌いだ、似たようなキャラしやがって日本人なんて嫌いだ糞がああ。」
「朝比奈君と僕が似てる?あぁ、可愛くて礼儀正しいって事ですね。良く言われます。有難うございまーす!!」
兄崎は知りたくもない真実まで知ってしまう。
五十嵐、お前マジで疫病神だわ。
ふふんと、勝ち誇った五十嵐が、商品すべてのラッピングが済んだ女性店員に声を掛けられて思い出したかのように再度蒼白になる。
「そっそうです。フレディ君の所為で話がそれた。おおお、お金がっ!あと529円しかありません!カードで買い物とかしないから、現金しか持ち歩いていないんですよ!」
「それ以前にカード使えないだろうが。」
熊の縫いぐるみだけでも税抜き価格で4,600円はする。
鳥篭が5,250円、小鳥二羽がセットで3,800円、薔薇の花付きフェイクグリーンが2,700円だ。
五十嵐の持ち金ではフェイクグリーンの購入ですら難しい。
好都合だ。
兄崎は実に良い笑顔を向ける。
五十嵐ざまぁみろ。
心の底からそう思う。
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