14 / 15

第14話:【勝者が正義なら可愛こそ正義だ 】こいつ殴って良いぞ。つか、殴れ。

「何の話よそれ!フレディこいつ殴って良いぞ。つか、殴れ。」 「不潔だっ。初体験で3Pでダブルフェラだなんて!」 お前は何を言っているんだ。 「ちょっと!!!だから何の話よそれ。」 「先輩。そうやって、しらばくれて!僕に厭らしい事を言わせようとしている時点で、厭らしいプレーを開始しているということですよね。交渉成立ですね!?帰ったらお触りとかするんでしょう?始めて会った時、僕に微笑んだでしょう!「これから、宜しくね」って、生徒会書記になったとき僕の手握ったでしょう。あの猥褻そうな目と言ったら。僕を視姦しているとしか思えない。思えばあのときから僕を如何にかしたいと考えていたんでしょう?全く気がつきませんでした。でも大丈夫。任せてください。先輩がどんなプレーを所望しようとも、全力で何もかも受け止めてあげます。そう全てはマリアンヌへの愛ゆえ。二次元に奉げたこの体を先輩に奉げ……うっ、うぅ。」 言いながら、五十嵐は涙を流し始めた。 今度は何だ。 「ぼ、僕、綺麗な体で居たかった。」 幼い子供の様な小さな丸い頬が涙で濡れて、やけに可憐に見えた。 小さく細い体は頼りなく庇護欲を掻き立てる。 フレデリックが非難の眼差しを兄崎に向けてきた。 先ほどまで五十嵐に恥をかかされていたと言うのに。 人が良いのか馬鹿なのか。きっと後者だ。 五十嵐と攻防の末敗北した店員は、包装を終えた商品を前に心底困った顔をした。 それはそうだろう。あれだけ手こずった客が、やっと帰るというのに。 寸前でまさか金が足りないとは。誰が予想できた。 女性客も心配そうに此方を見ている。 ――何だろう、何かあの子泣いてない?可愛そう。 ――あの先輩らしき人に一生懸命何か言ってなかった? ――先輩が何かしたんじゃないの?あの外人の子。だって凄くにらんでない? フレデリックが非難の目で見る為、女性客も兄崎が五十嵐に何かをしたと勘違いしているようだ。 兄崎は泣きたくなった。 何だって、五十嵐の為に金を出さないといけないのだ。 貸すだけだと分かっていても、癪なのだ。 ベッドに一人寝が寂しいなら恋人でも作れよこの野郎。

ともだちにシェアしよう!