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第18話
湯船の縁に両手をかけ、腰だけを突き出している。東城が後ろから自分の腰をつかんでいる。
恥ずかしい姿勢だが、広瀬は自分の性欲を隠さず、腰をゆらしてみせた。そうすると、彼のそりかえった性器が太ももにあたってくる。
湯船の中で出してお湯を汚すのは嫌だと言ったら、あっさりと湯船の外に二人で出たのだ。風呂全体が暖かく、湿っている。
彼の指が自分を開いていく。かなり強引に分け入ってきているが、危なげない手つきだ。
「早く」と広瀬は言った。「入れて」
その言葉に反応し、東城が両手を腰に回し、自分を突き入れてきた。
「あっ」
予想以上にそれは大きく、熱かった。風呂の熱気が身体に入ってくるようだ。いつもなら、指で拡げて十分に準備をしてからだが、今日は、狭いままに性急に分け入ってきているせいだ。
押されると声が息とともに漏れる。喘ぎ声のようだ。
東城は、ぐいぐいと自分の腰をすすめてきた。
「声、もっとだせよ」と彼が言った。「そうやって、誘って」
先端が強く押し込まれて、中に入ってくる。
広瀬は、ねだられるままに声をだした。彼の性器が自分の中に入っている。時々戻りながらも、進んでくる。かなり奥まで入ってきたような気がする。身体の中がいっぱいに広げられている。
「手を」と言われ、湯船の縁にしがみついていた左手をそっととられた。そして、後ろに回される。
「ほら、お前の中に入ってる」
触れさせられたのは、自分の後孔とそこに突き入れられている彼の性器だった。全部入ってはいなかった。まだ、奥にくるのだ。充血して血管がういたごつごつした感触が指先に伝わる。
「これで、中、いいところを、こすってやるよ」だから、いい声で啼いて、と東城が言った。
さらに、腰を動かされた。
東城に言われるまでもなく、広瀬は声をあげた。ひくっと身体がうねる。彼を求めて蠢いている。
「ああ、、いい」と広瀬は言った。「もっと、」
「ここ?」
うなずくと願いをかなえてくれた。一番感じるところだ。足が震えて、立っていられそうにもない。東城が支えてくれていなければ、膝をおっているだろう。
「自分で、前、いじれる?」と聞かれた。
広瀬は左手で自分の性器に触れた。すっかりぬるぬるしている。手でつかんではしたなくこすりたてた。
「お前の中、ぎゅって締め付けてくる。でも、まだ、いくなよ。いじるだけにしてろ」
そう言われて左手に手を重ねてきて、強い動きを制された。
「ゆっくりしよう。今夜は時間がいっぱいあるから、今から何度もいくと、後がつらくなる」
中で彼が動く。奥深く衝かれ、引いていく。それにあわせて広瀬も動いた。もうじき、絶頂が近い。いってしまう直前のこの、もどかしい感じも好きだ。後もうちょっと、身もだえしていたい。この快感を味わって、楽しみたい。でも、東城の性器が自分の中をこすり、快楽のポイントをつくと、耐えられなくなってくる。
広瀬は、声を出した。
「ああ、、もう、」
その言葉を聞き入れて、東城が強く腰を動かした。パン、パンという腰と尻があたる音が恥ずかしく響く。
「ん、!」声がとめられない。
広瀬は自分のペニスがはじけ、自分の手にみるみる精液があふれてくるのを感じた。東城は、直前で引き抜いて、中には出さず身体の外で射精した。足に熱い液体が伝う。
「すごく、よかった」東城は背中からそういった。「風呂の中にゴムもってきとけばよかったよ。お前の中でいけなくて残念」
広瀬は、膝をついた。湯船の縁に、額をつけて呼吸を整える。
「でも、まだ、夜は長いから。夕飯くったら、露天に入る?」と聞かれた。
湯船から風呂桶でお湯をすくい、手や腹、尻にかけ、汚れを流してくれる。
やっと息が落ち着いた。
「外ではしません」と広瀬は答えた。
「露天っていっても、こんな山奥の離れになんて誰も来ないだろ」
「誰かが来るとかということではなくって、外ではしないんです」と広瀬は言った。
東城は軽く笑った。広瀬の話を真剣に聞いていないようだった。
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