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第47話

大井戸署に着くころには、空が明るくなりかけていた。 広瀬は、頭の中の疑問をデータと照合しながら資料を作成した。 高田が来たらすぐに捕まえて、資料を見せながら説明した。 高田は、黙って広瀬の話を聞いていた。東城と同じように、高田も広瀬が朝早くいて、話をし続ける程度では驚かなくなっていた。 途中で宮田や他の捜査員がやってきて、同じように広瀬のタブレットを見ながら説明を聞いた。 「小松が20日に死亡していたという、確かな証拠が必要だ。行動履歴だけでは、証拠にはならない」と高田が言った。「なにか、他にはないのか?」 捜査員の一人が、手をあげる。 「昨日、犬の死体の写真を獣医師に見せて見解を聞きました。25日の時点でかなり腐敗しているように思えるそうです。昨年の9月下旬の気温からすると、少なくとも24~25日朝に殺されて、すぐに捨てられたのではないとのことでした。殺されたのは、もっと前の日付ではないか、とのことでした」 犬が発見された当時それほど詳しく調べられたわけではないので正確なところはわからない。だが、獣医はこの犬の死体は死んでから3~4日はたっていそうだ、と言っていたらしい。 「小松の妻に、失踪を届け出た日にちの件を確認しますか?」と宮田が聞いた。 「そうだな。今度は、こちらに来ていただいて話を聞こう」と高田は答えた。

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