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第3話 ユウト

ようやく来た母が親戚一同で飲もうと切り出した…もちろん俺も含まれている 場所もよくわからない…母によればここ自体もう一人の母の故郷だとか だからあんなに知らない人がいたのか…あいつにあんなに家族がいたなんて… じゃあ…あのすれ違ったあの人も… 飲み屋で騒いでる人たちも皆親戚……俺には見知らぬ他人にしか見えない 話も雑音でしかない… あの人もいた…俺に気付いていないのか楽しげになにかを話している どうせ俺の悪口だ…皆悪口だ… なにかを話していたのか…長い…それほどまでに嫌だったのか…まぁ睨んだからな… 俺は話しかけられないようにイヤホンをつけて食べることに集中した 誰からも話しかけられないように端のせきで なのにあの人が俺に何かを言ってきている さっきまで誰かと話していたのに…俺のとこまでわざわざ来たのか… 何をいってるのかは分からない そっぽを向いて音楽に聞き入ってるふりをしてみる 手に紙が当たった…あの人の名前やら俺たちが兄弟だとか書いてある イヤホンを外して彼を見ると…とても嬉しそうな顔をしている 「私たちは兄弟なんだ、そして私がお前のお兄ちゃんだ!」 あの人は頬を赤らめて顔を背けた…そして… 「頼みがあるんだが…」 俺は頷いてその場を去った…

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