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第26話

「菊座 ヤワラカク ナッテキタ」 赤鬼がにんまり笑うと、黄鬼が確かめるように窄まりを覗き込み、ふと思い出したように長持状の箱から小瓶を取り出しました。その小瓶から手の平に垂らした油のようなものを右手の中指にたっぷりなすりつけます。そして、抜け出た赤鬼の舌に代わって、ぬぷりとその油まみれの指を桃太郎の菊座に埋め込みました。 赤鬼の舌よりもっと奥深くまで指がこじ開けて進んでいきます。知らぬ行為に多少身を固くする桃太郎でしたが、黄鬼の指を助けるように赤鬼に再び菊座を舐められると、もう既に覚えてしまった気持ちよさが黄鬼の指を伝って尻の中まで流れ込んでくるようでした。くにくにと動かす黄鬼の指に、赤鬼の舌が這わされ、更に広げようと窄まりに捻じ込まれます。指と舌がてんでばらばらに動き、輪のようになった菊座の筋はだんだん押し負けて、その慎ましさを手放していってしまいました。しまいにはその窄まりはひくひくと赤鬼の舌と黄鬼の指を締め付けるようになり、尻の内側で舌と指の異なる感触を味わい比べてしまいます。 そのまま唾液と油まみれにされ、桃太郎の窄まりは時間をかけて黄鬼の太い指を三本すっかり飲み込みました。 「モモタロサン ココ オトコ 気持ちいいナレル」 「ケガレ ダカラ キンシ」 「デモ 気持ちいいノ イイコトデショ」 口々に片言で言われる言葉の意味をよく汲み取れないほど、既に桃太郎の頭はどろどろに溶けてきておりました。 「ココ 気持ちいいネ?」と言って指で尻の中を擦られ、雁字搦めの摩羅を擦られ、乳首を抓られたので、桃太郎はもうたまらず青鬼の摩羅から口を離し、「なんでもいいから早く喉を突いておくれ!甘露も出させておくれ!」と身も世もなく懇願してしまいます。 するとようやく黄鬼が桃太郎の菊座から指を抜きました。桃太郎はほっとした心持ちがいたしましたが、不思議と尻が寂しいような気がしてきます。最初は指一本でもぎゅうと拒もうとしていたのに、時間をかけて指を食まされて、何かをそこへ入れている方が充足感を感じられるようになってしまったようでした。 そんな桃太郎の変化に気付いているのかいないのか、黄鬼は何かを口の中で唱え、優しく微笑んで言いました。 「モモタロサン アタラシイ テンゴク オミチビキクダサイ」 そうしてあの傘の張り出した、到底桃太郎の口には収まり切らない摩羅を、ずぶりと桃太郎の菊座に突き刺しました。 「うああぁっ」 衝撃に一瞬桃太郎の両目がぐるんと上を向き、失神しそうになります。 それを見た他の二匹は桃太郎の気を逸らせてやろうとでもいうのか、青鬼は桃太郎の顔を跨いで正面から一気に喉まで摩羅を押し込み、赤鬼は桃太郎の摩羅を革紐ごと根元までぱくりと咥え、両の乳首もぐりぐりと強く捩じりました。 「ほぉうぅぅんん゛ん゛!」 摩羅で悲鳴を塞がれながら弱い部分を一度に責められている間に、黄鬼がぐぐっと腰に力を籠め、一度も止まらずに根本まで摩羅を埋め込みました。 こうして桃太郎は手足と摩羅を縛られたままならない姿のまま、これまでに知った全ての性感を鬼たちに一度に責められることになりました。 初めて摩羅で暴かれた菊座はどのように腹の中に繋がっているのか、大きな傘が窄まった臓腑の内側を引き剥がしながら直接抉り進んできたように感じられます。指や舌を入れられた時は広げられている、解されているという感覚が強かったのですが、摩羅は体のわずかな空隙に『嵌め込まれている』というより他ありません。 これまで閉ざされていた場所をこじ開けられ、ぴたりと嵌め込まれる苦しさは、ややもすると白目を剥いて失神しそうではありましたが、とても口には入り切らなかった巨大な黄鬼の摩羅が自分の体の中に納まっていると思えば不思議な充足感があります。 黄鬼自身も初物の狭さに苦しさがあるのか、脂汗を流しながらじっと耐えておりましたので、どくっどくっと菊座と腹の中で直接感じられる黄鬼の幾分早い脈から、黄鬼の興奮を直接感じ取れて、桃太郎の心臓も早鐘を打ちます。 己の菊座が広げられ太すぎる摩羅を苦しげに飲み込んでいる様子を目にすれば、その異様さに貧血の一つも起こしたかもしれませんが、幸いなことに桃太郎の目前には青鬼の少し茶色がかった繁みがあるだけでした。桃太郎の唾液に塗れた黒々とした立派な摩羅が目の前で己の口から出入りし、繁みが鼻に近づいたり離れたりいたします。 その繁みは近づく程に反り返った摩羅の先端が喉を掘り進み、鼻に触れるほどになると喉彦が押しつぶされて「ごぉっ」と醜い声が漏れてしまいます。桃太郎が想像した通り、青鬼の摩羅は桃太郎の喉の奥までに納められる際の太さ長さであり、頭を両手で掴んで喉奥に押し当てられれば息をつくことができず、えずきがこみ上げても吐き出すこともできません。 青鬼はゆるゆると腰を使いながら、苦しさに流れ始めた桃太郎の涙を時々拭います。そして子供のように無邪気に笑みながら、「喉の奥 ココデショ?」「気持ちいい?気持ちいい?」と狙いを定めて喉彦を押し潰しにかかっています。 繁みに鼻を押し潰されるほど奥まで咥え込まされますと、本能的な恐怖からか体が震ええずきに喉が痙攣しますが、それを無視して更に喉の奥をぐぅと圧迫され続ければ、諦めたように喉の震えが収まったことが自分でもわかりました。そうなると後はもう、甘露を吐き出すまで喉の奥を突いてほしいだけですが、縛り上げられた摩羅では到底果たせません。 桃太郎の後頭部を己の股間に思い切り押し付け、摩羅の先端で窒息を受け入れた喉の感触を味わいながら「気持ちいい?」と再度尋ねた青鬼に、桃太郎は涙を流しながら茫洋とした目線だけで頷きました。 尻も喉も摩羅で限界まで押し広げられ、高まった性感を発露できない状態はあまりにも苦しいのですが、平素では意識しない体の空隙を立派な摩羅でぴたりと塞がれている喜びは、これまで桃太郎が経験した全てを超える幸福感でもありました。息をつけず意識が朦朧としているせいか、このまま立派な摩羅と渾然一体になってしまいたいとすら思います。 しかし、その苦しい充足感はいつまでも続いてはくれません。青鬼の股間に遮られて見えないところで、赤鬼がちゅぷちゅぷと音を立てて桃太郎の(いまし)められた摩羅を吸い、乳首をぎゅうぎゅうと捻るせいで、いてもたってもおられず、唯一少しだけ自由になる腰をかくかくと小刻みに動かしてしまいます。 その動きで桃太郎が痛みを感じていないとわかったのか、黄鬼は腰を慎重にゆっくり引きました。 ずずずと尻から抜け出ていく黄鬼の巨大な傘に、腹の中身を持っていかれてしまうような恐怖を感じて桃太郎は目を見開きます。喉まですっかり塞がれて悲鳴の一つも出ませんが、そうでなければ腹がなくなってしまうと言って泣きわめいていたでしょう。それほど大きな傘を引き抜かれる感覚は異様で、先端が抜け落ちる直前になると、腹の中にぽっかりとした空洞が空いてしまったような恐ろしさがありました。 ――もっていかれる!もっていかれる!

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