恐怖に見開かれた目は、青鬼の尻に阻まれて黄鬼からは見えません。抜け出る直前まで引いた摩羅の先端に、ゆっくりと閉じようとする桃太郎の肉筒の動きが感じられましたので、黄鬼は再び隘路(あいろ)を開こうと摩羅を奥へと押し込みました。 「ほおおおっ」 青鬼の体越しに聞こえる桃太郎のくぐもった声は悲鳴といってよいものでしたが、痛みを訴えるというよりは肉体の衝撃が飲み込み切れずに口から溢れたといった響きです。黄鬼はとにかく閉じようとする肉の蠢きに反発するように、ゆっくり何度も摩羅を前後させ続けました。 すると元より筋力も体力もない桃太郎でしたので、尻の強張りは解け、無意識に入っていた菊座の力も徐々に抜け、黄鬼の摩羅が行き来するのを許すようになってきました。桃太郎の「おごっ　おごっ」というくぐもった声も、黄鬼の摩羅よりはむしろ青鬼の喉へ突き込む動きに連動しているようです。 これでようやく存分に動けようと、仕切り直すつもりで黄鬼は一旦摩羅を引き抜こうとしました。前後の動きを何度も折り返した抜け出る直前の位置で一旦腰を止め、菊座の窄まりの抵抗を感じながら傘を引き抜こうと股間に力を込めます。 しかし、抜け出ようとしたその動きを感じたのか、それまで弛緩していた桃太郎の肉筒が途端にぎゅうぅと絡みついてきました。 簡単に抜けると思っていた黄鬼は思わぬ抵抗に敏感な摩羅の先端を締め付けられ、「オオオッ」と咆哮を上げます。そうして焦った様子でしゃにむに摩羅をずぽんと引っこ抜きました。 「あああっ」 息継ぎさせようとたまたま青鬼が口から摩羅を引き抜いていたため、明瞭に艶を帯びた桃太郎の悲鳴が天幕に響き渡ります。摩羅を引き抜かれたばかりの桃太郎の菊座は大きく口を開けておりましたが、取り繕うように急速に窄まり始めました。締まった菊の輪から敏感な摩羅の先端を無理に引き抜いたことで急激に高まった射精感に慌てていた黄鬼でしたが、隘路が完全に閉ざされる前にと、再びその大きな先端をぐぷりと捻じ込みます。 「ああっ　駄目だ！菊座が広がってしまう！」 桃太郎は首を振って抗おうとしますが、桃太郎の摩羅をしゃぶりながらその様子を見ていた赤鬼に「気持ちいいデショ　アマイノ　モレテルヨ」と一笑に付されてしまいました。 実際のところ、摩羅が単調に行き来している間は腹の中を押し広げられているような苦しさを感じていたのですが、大きな傘がひとたび菊座を抜け出ようとすると、途端に大きな快感が襲って桃太郎は驚いておりました。 黄鬼の摩羅の柱の幅に広げられていた菊座は、摩羅が行き来する度に摩擦され熱をもっておりましたが、抜け出ようとする傘の広がりを菊座の裏側で感じると、これ以上広げられてなるものかと自然にきゅうと窄まろうと動きます。そうすると極めて敏感な菊座の裏側の肉が、傘の引っ掛かりを如実に感じ取ってしまうのです。大きく開いた傘を菊座の裏側のその引っ掛かりから無理矢理引き抜くと、内側から桃太郎の菊座の窄まりが押し開かれることになります。 体の内側から菊座を押し広げられるのは、排泄の経験がない桃太郎にとって初めて味わう種類の快感でした。しかも、自分の意思とは関係なく押し広げられ、引き抜かれてしまいますので、そこには排泄と似て非なる強烈な羞恥がありました。 摩羅を引き抜かれたばかりの菊座は、内側から熱い摩羅に押し広げられた快感に息をするようにひくつきますが、窄まり切らないせいで冷たい空気に触れて心許なく身は震えます。その上、秘められるべき場所が晒されてしまっていることに羞恥と興奮を覚えて、桃太郎に叫び出したいような混乱をもたらしていました。 そのため、再び黄鬼の摩羅に今度は外側から敏感な菊座を押し広げられると、敏感な内に秘められた空洞が空気と衆目から遮られ、桃太郎は安堵さえ覚えたのでした。 そして、菊座への摩羅の出し入れで快感を得たことは、桃太郎の摩羅をしゃぶる赤鬼には隠せようはずもありませんでした。玉からしっかり戒められて甘露を吐き出すことはできませんが、桃太郎の摩羅は震え、透明な汁をわずかにとろりと滲ませ、雄弁に快感を語ります。 「モモタロサン　摩羅ヲ菊座カラ　ずぽんっ　ッテサレルノ　スキネ？」 確信した笑みで赤鬼に言われ、桃太郎は返す言葉もありません。 気持ちよいのは良いことだと素直に思って生きてきましたが、尻の穴から摩羅を引き抜かれるのが気持ちよいというのは、ひどく恥ずかしいことのような気がして仕方がないのです。 「スゴイデス　ぎゅう　ッテナルデス。　摩羅　気持ちいい」 黄鬼ははぁはぁ息を切らしながら、またも極端に開いた傘をわざと菊座の内側に一度引っかけ、窄まろうとする抵抗を楽しみながらばっと引き抜きました。 じゅぼひゅっ 「やああああっっ」 先ほど窄まり切らないまま再び摩羅を捻じ込んだせいか、桃太郎の尻穴からは粘度の高い音と同時に、狭い場所から空気が抜ける間の抜けた音がいたしました。桃太郎は悲鳴を上げて必死で菊座を閉じようとしますが、無理に広げられた菊座はやはり緩慢な速度でしか窄まっていきません。そこへ再度黄鬼が摩羅を捻じ込み、またすぐに引き抜きました。 ぶじゅん ぼひゅっ ぶじゅん ぼひゅっ 聞くに堪えない音をさせながら、三角形の摩羅の大きな先端だけが何度も桃太郎の菊座の浅いところを出入りします。 その光景と音のあまりの卑猥さに、赤鬼と青鬼も動きを止めてついつい見入ってしまいます。 「ひいっ　いやぁっ　いやぁっ」 何度も菊座を極端に押し広げられ、敏感な場所を張り出した傘で擦られて、おまけに自分の尻から耳を塞ぎたくなるような恥ずかしい音をさせながら摩羅が出入りしているとなれば、桃太郎ももう正気ではいられません。 しかし縛り上げられ、甘露を出す終わりも許されず、腰をがくがくとさせながら身も世もなく悲鳴を上げ続けるしかありません。 「いやぁっ　死ぬぅ！」「尻が閉じなくなってしまうぅっ」 言葉も声音も悲痛なものがありましたが、その合間にも「ああっ　ああんっ」と艶めいた喘ぎ声を上げておりましたので、黄鬼は構わず己の摩羅に注ぎ込まれる不思議な力に身を委ね、思うままに敏感な摩羅の先端を出し入れしました。 「モ、モモタロサンッ　モモタロサンッ」 咆哮と共に、遂に黄鬼が耐えかねたように子種を吐き出します。傘だけを菊座に納めた状態で、勢いよく飛び出した大量の子種は、時間をかけて押し開かれた桃太郎の肉筒の内部を駆け上がり、逆流し、たっぷりと内部を満たしました。 あれほど待ち望んだ鬼の子種を、桃太郎は腹の中で味わうことになったのです。