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伊織(40)*

 程よく筋肉のついた引き締まった身体が淡い灯りに照らされて、少し汗ばんだ肌が艶やかに光り、大人の男の色気を漂わせている。  僕のような貧弱な身体とは全然違う。 「……あまり煽ってくれるな」  いつもよりも、一段と低い声が落とされた。今までに聞いたことのないような、色欲を含んだ教授の声。  僕の広げた脚の間に身体を割り込ませながら、教授は穿いているズボンを下着ごと少しずらした。 「俺だって、早く欲しくて堪らない……」  床に肘をつき、上体を僅かに起こしていた僕の視線の先に見えた教授の熱く滾ったもの。  それは、先端から溢れた蜜が幹を伝い落ち、根元まで濡らし、そそり勃っていた。  思わず、ゴクリと喉を鳴らしてしまった僕の窄まりに、熱くて硬くて大きいものが擦りつけられる。  熱を帯び、濡れた感触に、胸が高鳴った。 「……熱い」  思わず零した言葉に、教授が艶然とした微笑みを返してくれる。  濡れた切っ先をそこに何度も擦り付け、脚の間からぐちゅぐちゅと音が立ち始めると、その先を期待して身体が堪らなく熱くなっていく。 「……は、あぁ……っ」  思わず吐息混じりの声を漏らし、無意識に腰が揺れ、十分弛んだ窄まりを自分から教授の先端に擦りつけてしまう。  さっき達したばかりの僕の半身も、また腹に付くほど勃ち上がり、教授を欲しがって涎を垂らしていた。 「……おね、がい……」  ――――早く。 「……何?」  ――――焦らさないで。 「どうして欲しいのか、言ってごらん?」 「…………っ」  ――――そんなこと言えない。潤さんなら言わない。 「……あ、っ、ああ……っん」  後孔を擦りながら、先端がじわじわと僅かに挿ってきたのに、すぐに外れて会陰をなぞり、僕の屹立に擦りつけられて、高い嬌声を上げてしまう。 「気持ちいいかい?」  僕は、小さくうなずいた。  気持ちいい…………でも違う。  ――――分かっているくせに。教授はわざと訊いてくるんだ。 「どうして欲しいのか、正直に言ってごらん」 「は……っ、も…………や、ぁっあ!」    互いの濡れた猛りが触れ合い、擦り付けてくる速度を上げられて声が途切れてしまう。  ――――気持ちいい……。でも、欲しいのはそれじゃない。 「どうした?」  喘ぎながら何度も首を横に振っても、教授は許してくれない。 「早く言わないと、このままイッてしまうよ」  ――――分かってるくせに……。 「あ……ぁっ、はや、く。欲しい」 「何を?」  欲しいものとは違う快楽に追い上げられて、思わず口にしてしまう。 「――せんせい……の……が」  ずっと、言わずにいた言葉だった。  ――“先生”が欲しい。 「僕の中に挿れて……中でイッて……、はやく……先生が……欲しい」 「いい子だ……。伊織」  優しく、甘く、色情を含んだ声が落ちてきて、少しぎごちなく名前を呼ばれて……。  そして、熱く濡れた硬いものが後孔に押し当てられた。  

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