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かりそめ(65)*

 中途半端にたくし上げられていたTシャツも脱がされて、硬く尖った頂を交互にゆっくりと教授の舌に嬲られる。 「あっ、あっ……きもちい……」  時々、きつく吸い上げられると背筋を駆け抜けるような鋭い痺れに、思わず薄い胸を反らせて、また恥ずかしい言葉を零してしまう。 「……もっと……して」  潤さんを真似ていた時は、高校生だった彼がこんなに淫らに求めるはずがないからと、自分を抑えて声も我慢していたのに。今は、隠さずにさらけ出して、僕の全部を教授に愛して欲しい。  胸元でクスッと小さく笑われて、吐き出した息が濡れた尖りにかかる。そんな僅かな感触でさえも、気持ちいい。 「こっちは、触らなくてもいいのかい?」  閉じた膝を開かされ、教授の脚がボトムの布を押し上げている中心を圧してくる。 「っ、ん……どっちも……」  応えると、教授は笑いながら胸の尖りを甘噛みして、器用にベルトを外し前を寛がせていく。  自ら腰を浮かせば、ボトムが下着と共にずらされて、全てが剥ぎ取られる。熱の籠った眼差しを注がれて、何も着けてない肌が灼けるように熱くなる。  手を伸ばして、教授の胸に触れるとTシャツ越しに彼の体温も熱を持っているのが、掌に伝わってくる。 「先生も、脱いで」  シャツの裾を捲り上げると、その下から覗いた硬い腹筋に視線を奪われる。  そこに思わず両方の掌を滑らせると、教授は僕を見下ろしながら途中まで捲れ上がったTシャツを腕を交差させて脱ぎ捨てた。  三十八歳とは思えない、程よく筋肉の付いた、しなやかな身体が覆いかぶさってきて、唇を奪われる。  舌と舌を絡め合い、深いキスに応えながら、僕は教授のスウェットパンツに手を挿し入れた。 「これも、早く脱いで……」  キスの合間に言葉を紡げば、唇を触れ合わせながら教授が艶然と微笑んで僕の言う通りにしてくれる。  お互いの裸体がぴったりと重なって、肌と肌がぶつかり合う。  唇と唇。胸と胸。腰と腰。そして雄と雄。指と指を絡めてシーツに縫い止められて、脚と脚を縺れ合わせて、動くたびに擦れ合う全部が熱くて気持ちいい。

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