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年下の彼 44
「僕も小太郎さんはそういうタイプだと思います。」
「おい、星川までなんだよ。」
放課後、メールの通り準備室に迎えに来た星川に昼間の朝比奈との会話を話すと同じことを言われた。
俺みたいなタイプは……か。
マグカップにコーヒーを注ぎながら頭の中で復唱してみる。
「小太郎さんて、自分で思ってる以上に好きになると周り見えなくなる人ですよ?」
「はぁ?んなことねーよ……」
否定はしたものの、多少その傾向はあるのかもしれない。
ただ、失踪まで行き過ぎな行動はしない……と思うけど。
さすがに俺大人だし……
「そんなことありますよ。だからいつも言ってるじゃないですか、ほっとけないんだって。」
「確かに、おまえいつもそれ言ってるよな。」
「そうですよ。だから、今だから言いますけど、小太郎さんはあっさり教師やめて桐谷先輩についていくと思ってました。」
おい、あっさりって。
「だから……正直まだ信じられないんです。僕を選んでくれたこと────」
自分を選んでくれたことが信じられないと言う星川に片方のマグカップを渡し、その口を塞ぐように触れるだけのキスをする。
「ッ……小太郎さん?!」
「何を今更不安になってんだよ。どこぞの野獣みてーにずっと攻め通しだったくせに。」
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