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甘い罠 8

「ちょっ、ストップ!!」 熱すぎだろ…… マジで流されそうだ。 とりあえず、迫りくる星川の顔を手のひらでガシッと突き放し、ちょっと待てと落ち着かせる。 さすがの俺も頭の中で危険信号が点滅して、必死に理性を働かせようと努力したわけだが…… でも、そんな理性も簡単に破壊されてしまう。 「…………先生、ちょっとだけなら構わないでしょ?」 甘い、甘い囁きは、俺の思考をどんどんと狂わせる。 人の気も知らないで……なんなんだよ。 突き放したはずの手は簡単に掴まれ…そのまま流れるようなスマートさで、空いた片方の手でメガネをさり気なく外す星川。 メガネなしのこいつの顔…… それはメガネを掛けていたいた時より、より整った綺麗な顔が際立っていて、 俺は………そんなこいつに、 年甲斐もなく見惚れてしまった。 そして気付いたら、 「………ちょっと、だけ……なら…」 ────そう口にしてしまっていた

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