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甘い罠 10
「……んんッ……さ、触るなっ…やめろっ…」
なんで、年下相手に……
ふざけやがって……
無駄な抵抗と知りつつも悪態を吐かずにいられない。
「………身体はちゃんと反応してますよ?やっぱりノーマルじゃないんですね。それとも僕だから…だとしたら嬉しいですけど。」
「……ッ…し、知るかっ……ちょっ……んッ…」
「………その質問はちょっと焦り過ぎでしたね、すみません。でも、感じてくれて嬉しいです。」
口ではそんな硬派発言してる割りには、俺のを触る手つきは厭らしさを増すばかりで、
「………ねぇ、先生?」
そしてそんな風に色っぽく囁く声に不覚にもドキッとしてしまう……
「……ッ…な、なんだよ。」
「もっと…気持ちいいことしたくないですか?」
もっと、ってなんだよ、
気持ちいいことってなんだよ、
もう本気で分からない。
いつもと何かが違う。
こんなの俺のスタイルなんかじゃ…ない。
いつもならラクに楽しめるのに。
教師としての自覚が僅かに残ってるうちにと、
理性が切れる前にと、
全てのことを隠すように────
俺は、開けっ放しの窓をそのままに後ろ手にカーテンを一気に閉めた。
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