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甘い罠 14

俺の頬へと這わせた指先は確実に意志を持っていて、それに反応するかのようにまたジワリと下半身に熱が集まってくる。 「………ッ……んッ…なん…」 「…………もっと、触って欲しい…です。」 こんな時ですらきちんと敬語を使い、求めてくるあたりが優等生だ。 それが妙に面白くて鼻で笑うとまた敬語で仕掛けてくる。 「何が可笑しいんですか?」 「いや、星川ってセックスする時も敬語使って偉いな~と思ってさ。」 ただなんとなく気付いたから言っただけで、別に意味なんてないのに……こいつは少しだけムッとした表情をして、小さくため息を吐くとなぜか、分かりました……と一言、静かに言った。 そして次の瞬間、窓際に押し付けられていた俺の身体を反転させ、今度は冷たい壁が目の前に迫る。 背中から押し付けるように抱きしめられ、星川の荒い息が耳の奥へと抜けていく。 そのまま後ろ手に手を引かれ、さっきされたように下半身へと再度持ってかれる。 ちょっと痛いくらいに手を掴まれ、熱い吐息と共に吹き掛けられたその“分かりました”の意味は──── 「…………もっと、オレの触ってよ……なぁ…────先生?」 そんな、欲情に濡れた野獣の囁きだった────

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