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甘い罠 25
当たり前にされるがままでいるのが、なんだかむず痒い。
これじゃまるで……いい大人が甲斐甲斐しく世話されてるみたいじゃねーか。
俺の態度に一瞬、怪訝な表情を覗かせた星川だが、すぐにいつもの冷静さを取り戻し話を再開させた。
「先生は、僕とのこと秘密にしたいんですか?」
「はぁ?………別にどっちだっていいけど。」
「じゃあ、別に学校でセックスしたって問題ないじゃないですか。」
「そう…だけど……」
別にどこでセックスしたって構わない。
いつもの俺ならそれは同感だ。
だけど、星川に関してはどうしても何処かいい加減になりきれない。
一般的に教師の俺に非があることになるんだろうけど、少なからずこいつの将来にも影響は出る。
こいつが俺を好きなことは本当らしい。だが、このまま安易にセフレとして関係を続けていいものか……
珍しく俺はそんなことを考えてしまった。
見えない何かが俺にブレーキをかけているような……そんな気さえした。
「分かりますよ?先生の言いたいこと……」
そう言うと、中指の腹でクイッとメガネを持ち上げ、俺に更に歩み寄る。
「………誰かにバレたら、僕の将来に傷がつくとか心配してるんじゃないですか?教師と生徒が関係を持つなんて、本来……許されないことですからね。」
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