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甘い罠 27

やっぱりこれ以上関係を続けない方がいい ……そう口にする前に、星川が俺の胸ポケットへ手を伸ばし、小さく笑いながらそんな変な事を言い出した。 そしておもむろに俺の胸ポケットから煙草を引き抜いたかと思うと、 「おまっ、何してんだ!」 止めろと言う前にこいつは、俺の目の前で煙草を一本取り出すと、口に咥えポケットに一緒に入っていたライターで火を点けようとした。 「何考えてんだっ、未成年だろっ!!」 寸前で取り上げると、俺は急いでそれを内ポケットへとねじ込む。 「そんなムキにならなくってもいいじゃないですか。煙草くらい、どうってことないです。」 「だからって煙草はマズいだろ!おまえはよくても教師として止めるのは当たり前だ!」 「…………じゃあ、あんまり真面目扱いしないって約束してください。それに、先生の言う通りにするからセフレはこれからも続けて欲しい。それ以上は今は望みません、だから……」 そんなに真面目扱いしたつもりなかったのに、こいつ…そんなに勘に触ったのだろうか。 それに、こいつの縋るような眼差しが俺の胸の奥に突き刺さって、ゆっくりと身体中に浸透していく。 そして、また俺をそっと抱き寄せ“お願いします”と囁かれる。 甘い罠にまんまとハマった気がした──── 甘く囁く声が、 抱きしめるその腕が、 俺を茨の道へと誘い理性を壊していく…… そして馬鹿な俺は、何度目かの…… 「分かった……」 ……を、口にしていた。

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