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甘い罠 29

初めて化学室で抱かれてから、今まで一度も挿入されていない。 つまり、後ろはまだ未体験と言うこと。 だから相変わらず大嫌いな素股か手コキでイかされまくっている。 「………はぁ……」 そして、また俺は無意味にため息を吐いてしまう。 「先生?言う通りにしてるのに何か不満ですか?」 「は?」 俺を抱き締める腕に力が入り、怪訝そうな顔で覗き込んでくる。 「ため息、昨日からもう8回目です。」 こいつ…数えてやがったのか。 「悪趣味な奴……」 「ちゃんと学校ではバレないように上手く隠してますし、誰にもまだ先生とのことも言ってません。なのになんでそんな顔してるんですか?」 それは約束通りだけどけど、セックスに関しては言う通りって言うか……結局は主導権握ってるのって星川な気がする。 こいつの、あのデカいブツを入れられるのも恐ろしいけど、年下に毎回素股と手コキでイかされてる俺の気持ちなんて……さすがの俺でもプライドが傷つくけど、 「別に何でもねーよ。」 ……そんなこと言える訳もないから適当に流して、また小さくため息を吐いた。 なぜ、その一線は越えようとしないんだろうか。 あくまで、恋人同士ではなくて、“セフレ”だから? そんなどうでもいいことが頭の片隅にいつも引っ掛かってるのに、結局聞けずに今まで来てしまった。

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