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甘い罠 31

いっそ、理性も肩書きも全部忘れるくらいに溺れてしまえたら…… そんな無責任なことを酸欠の頭でぼんやり考えてしまう。 「……ッ…ほし…かわ…」 そして目の前の欲に手を伸ばすかのようにその名前を呼べば、欲情に染まった瞳で熱く見つめ返す星川は同じように俺の名を呼ぶ。 「先生………」 そのまま俺の上に覆い被さり、首筋に舌を這わせながら、もう一度“先生”と呼ばれた。 「……おまえって、馬鹿だよな……」 ……俺なんか好きになって。 「………馬鹿でいいです。それで先生が僕を受け入れてくれるなら…馬鹿でいい。」 首筋から耳の付け根までをねっとりと舐め上げながら、まるで独り言のように切なげに呟く。 「僕……先生が僕だけを見てくれるまで最後まではしません。」 「……んッ……なに…言ってんだよ?」 「気になってたんじゃないですか?………僕が最後までしないこと。」 「……んッ………べ、別に……」 バレてたのかよ…… けど、全部お見通しってのが気に入らないから、しらばっくれようとしたら首筋を強く噛まれた。 「………ッ…いたッ…!!」 「嘘つかないでください。僕、ずっと気付いてました。」

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