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苦い過去 28

「先生、大丈夫ですか?!」 「だ、大丈夫じゃねーよ。これ以上此処に居たら確実にのぼせる。」 「そうですよね。じゃあ、出ましょうか。」 そう言う星川がシャワーを止めようと立ち上がろうとした時、俺のちょうど目の前にこいつの下半身が。 マジかよ…… 「なぁ?」 「なんですか?」 「それ、抜かなくていいわけ?」 目の前に晒されたそれはすでに完勃で、この状態でほっとかれると辛いのは俺も男だからよく分かる。 だから何の疑問も持たずに聞いただけなんだけど…… 「先生……」 「あ?」 「誘ってるんですか?」 「はぁ?!」 こいつは何故か勘違いしてしまったらしい。 「あ、でも…後でトイレで抜くので大丈夫です。先生のぼせちゃうし。」 「そ、そうだけど……。」 確かになんか全身怠し、頭も軽くぼーとしてるし、身体中が火照ってる感じがしないでもない。 だけど、 何故か今夜は見過ごせなくて、 俺は、気付いたらこいつの腕を掴んでいた。 「せ…んせ?」 戸惑うような眼差しと眼が合ったが、俺は気付かないフリをして……空いている方の手でシャワーを止めた。 そしてそのまま、星川をタイル張りの壁際へと誘う。 「……無理しないでください。」 無理…… そんなこと……ない。 だけど、 そう口にするにはまだ不確かで。 俺は何の返事も返さないままこいつの足下に歩み寄ると、その熱に手を伸ばした。 言葉よりも何よりも、この火照った身体で確かめる為に…… 俺は、この手を伸ばした────

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