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儚い感情 3

「……………なに…いきなり……」 目の前のグラスに伸ばしかけた手が思わず止まる。 こいつは俺の過去を知らないはず。 なのに何故いきなりそんな質問をしてきたのか。 まさか……… 星川とのことがバレた? いや、“禁断”と言っても教師と生徒ってパターンだけが“禁断”と当てはまるわけではない。 世の中には他にもそれに当てはまる禁じられた恋は沢山ある。 じゃあ、朝比奈はどういうつもりで聞いているのか…… ゆっくりと朝比奈に視線を移すと特に変わった様子もなくグラスを片手に俺の答えを待っているようだった。 「……いや、別に特別意味はないんですけど、何となく聞いてみたくなったんですよ。まぁ、普通ないですよね……。」 「……………当たり前だ。」 「ですよね。じゃあ、仮にでいいです、先生の意見聞かせてください。」 「俺の意見なんか役に立たないだろ。」 「いや、同じ教師として大いに役に立つと思いますよ?」 大して表情を変えていない朝比奈がそう言うと、ビールを一口飲み、更に言葉を続けた。 「望月先生が、もし……教え子から好きだと告白されたら、どうしますか?」

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