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儚い感情 4

そして、持っていたグラスをテーブルに置くと、ゆっくりと視線を流して俺を捉え朝比奈はそう聞いてきた。 「………どうもこうも、そんなの……断るに決まってんだろ。」 朝比奈にとっての“禁断”とは俺が今まさに関わっている事。 “教師と生徒の禁断の恋” 洵也のことはともかく、星川との関係は…… 恋────とは、ちょっと違う…か。 だけど、自分で否定しながらも後ろめたい気持ちは十分ある。 一度ならまだしも二度も生徒と関係を持っているんだから当然だ。 「………なーんだ。もっともらしい答えでつまんないなぁー。先生って女の子好きそうだから1回くらいなら…とか言うかなぁと思ったのに。」 女…… そうだよな。まさか俺が男子生徒と…なんて考えもしないだろう。 「おまえ後輩のくせにひでー言い方だな。俺はそんな見境なく女に手出したりしねーよ。つか、そんなの聞いてなんになるんだよ。まさか……」 「俺じゃないっすよ?俺、そんなモテないですもん。」 「じゃあ何でだよ。」 「実は────」 そして、朝比奈が口にしたその理由とは、とんでもなく突拍子もないものだった。

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