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儚い感情 5

「はぁ?!マジで言ってんのかよ?!」 「あ…はい。て言うか、そんな怒ることないじゃないですかー」 「怒ってねーよ!!」 「十分それ怒ってますよー。もー俺が当事者とかならよかったんですか?!」 「そう言う問題じゃねーよ!」 「だって…ふと先生の顔が浮かんだんですよ?そしたら気になって気になって。」 「夜中にか?おまえさーそれおかしいだろ、何でよりによって俺なんだ。」 朝比奈が言っている“禁断の恋”とは、単にその類いのドラマを夜中やっていてたまたま見ていたらふと俺の顔が浮かんで疑問に思った……と言うくだらない理由だった。 そのくだらない好奇心のせいで俺は余計な心配を強いられたんだ、ムカつくのは当たり前だ。 だけどムカつく本当の理由をこいつに言うわけにはいかないからそれがまたムカつく。 なんでよりによって今のタイミングなんだよ、ムカつくな…… 「おまえのくだらない好奇心に俺を巻き込むな。もうそれ飲み終わったら帰るぞ!」 「あー待ってくださいよ!やっぱり怒ってるじゃないですかー。そう言えば“禁断の恋”で思い出しましたけど、この話知ってます?」 相変わらず空気が読めない朝比奈は、俺のことなんかスルーで頭ん中はもう次の話題らしい。

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