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儚い感情 15
「………狡いですね。」
少し乱暴なキスを繰返しながら星川が低い声で呟いてくる。
……狡い?
「……ッ…んッ…どう…いう意味だ」
唇が離れた隙に問いかければ、返事の代わりにキスは更に激しさを増した。
唾液が口端から流れ落ちるのも気にせずに、お互いの舌を絡め合い次第に快楽へと浸っていく。
「……ふッ…んんッ…んッ…」
「…ッ…そのままの、意味です…」
意味が分からないままの俺を試すかのように、唇は首筋へと移動し、舌先でなぞるように耳まで到達した。
「……ッ…んん…あッ…ん」
そして今度は、耳朶を甘噛みしながら熱い吐息と共に耳元でそっと、だけど熱く囁かれる。
「身体はこんなに正直なのに……」
ゾクリと鳥肌が立つくらい妖艶な声で言われれば身体中がまた火照り始め、さっき口でイかされた俺の下半身は再び形を変え自然と腰が浮わついてしまう。
こいつからの愛撫は悔しいけどすげー気持ちいい。
更には、高校生のくせに厭らしく色っぽい声で攻めてくるから、理性なんか途端にブッ飛ぶくらいの破壊力は十分ある。
だから、これ以上身体を重ねたら、俺は────
「好き………?」
「…ッ……な、に?」
「そろそろ僕のこと……好きになってくれました?」
珍しくそんなことを言い出し、聞かれた俺は、首を縦にも横にも振らず、ただ黙って目の前の快楽に身を委ねた。
「────そうやって身体だけはどんどんと順応になるのに……心だけが置き去りで……本当にあなたって、狡い人だ」
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