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蒼い純情 22
そして、伸ばしたままだった手を握られそのまま引き寄せられるように抱き締められた。
「……星川?」
俺も星川も裸のままで、抱き締められると直に感じる肌の温度と、こいつの鼓動。
「……こうしてると、時が止まればいいのにと時々思う自分がいて……でも、そんな非現実的なことを思っても仕方ないとすぐに我に返るんです。」
早く波打つ鼓動とは裏腹に語られる胸の内は、とても大人びていてとても落ち着いている。
「おまえさ……なんでそんな冷めてんだよ。聞き分けがよすぎっつーか、高校生が言うような言葉じゃねーぞ?」
「だって、どんなに望んでも時は止まらないでしょう?今だって、刻々と時間は刻まれていく。そしてあなたとのタイムリミットも迫る。だったら、僕はあなたとの時間をプラスに考えて過ごしたいんです。あとこれだけ……より、あとこんなに……と、思いたい。」
「強いな、おまえ。俺だったら、やっぱり好きな奴と居たらそんな風に考えられないな。あとどれだけ一緒にいれるか時間ばかり気にするな、たぶん。」
「そうですか。じゃあ……今も時間気にしてくれてますか?」
「え?」
「いや、なんでもないです。……このまま抱き締めたまま寝ても、いいですか?」
「……え……あぁ、別に。」
そっと息を吸って吐いて、“ありがとうございます”と言ったあとは、もう何も言わず無言のままで、気付けば星川の寝息と外の雨音だけが部屋中を支配していて、
そして俺は、
星川の言葉の意味を噛みしめながら……そっと目を閉じそのまま身を委ねた。
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