130 / 190

淡いキス 4

「先生?……望月先生?」 「……あ、悪い、何?」 「今日なんか朝からぼーっとしてません?昨日彼女と喧嘩でもしたんですかー?」 「は?!してねーし」 休み明けの朝比奈の相手ほどめんどくさいものはない。 めんどくさい上に自分のテンションも相まって、ウザさは最高潮だ。 一昨日からの一件もあって、今日は出来れば話したくない。 なのに、隣から聞こえてくるのは、緊張感ゼロなお気楽な声だ。 「そんなこと言ってー、顔色あんまりよくないですよ?ガチなんじゃないですかぁ?」 「はぁ……。だから違うって、気のせいだろ。さて、授業の時間だ」 「あ、先生?今夜飲みに行きません?」 そんで仕舞いにはこれだ。 「いやだ。」 今こいつの妄想話に付き合う気力なんかねーし。 だから、即シャットアウトしたってのに、、、 「……大事な話があるんですよ。」 真顔で切り返されたそれに、俺は妙な胸騒ぎがして、行くことを了承してしまった。

ともだちにシェアしよう!