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淡いキス 4
「先生?……望月先生?」
「……あ、悪い、何?」
「今日なんか朝からぼーっとしてません?昨日彼女と喧嘩でもしたんですかー?」
「は?!してねーし」
休み明けの朝比奈の相手ほどめんどくさいものはない。
めんどくさい上に自分のテンションも相まって、ウザさは最高潮だ。
一昨日からの一件もあって、今日は出来れば話したくない。
なのに、隣から聞こえてくるのは、緊張感ゼロなお気楽な声だ。
「そんなこと言ってー、顔色あんまりよくないですよ?ガチなんじゃないですかぁ?」
「はぁ……。だから違うって、気のせいだろ。さて、授業の時間だ」
「あ、先生?今夜飲みに行きません?」
そんで仕舞いにはこれだ。
「いやだ。」
今こいつの妄想話に付き合う気力なんかねーし。
だから、即シャットアウトしたってのに、、、
「……大事な話があるんですよ。」
真顔で切り返されたそれに、俺は妙な胸騒ぎがして、行くことを了承してしまった。
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