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淡いキス 7

「俺もね、人違いかと思ったんですよ、最初は。でも、先生でした。」 真っ直ぐに心中を貫くようにそう言われ、俺はもう何も言えなくなっていた。 「それでですね、本題です。」 そして、続けざまに朝比奈から言われた事実に俺の頭の中は完全に真っ白で、朝比奈が個室にした意味を実感させられることになる。 「あの生徒と付き合うのは勝手ですけど、いい加減また同じこと繰り返さない方がいいですよ。」 繰り返す? 「ど、どう言う意味だよ。」 「あの……俺、先生と洵也君とのこと知ってるんです。」 まさか朝比奈の口から洵也の名前を聞かされるとは。 「なん……で……」 「俺の親友の弟なんですよ、洵也君。だから、当時は弟のことで悩んでるって何回か相談受けててたんです。兄貴としては賛成は出来きないし、弟がその相手を……あ、先生のことですよね、先生のことを本気で好きみたいだから困ってると。……て、先生?大丈夫ですか?顔色あんまり……」 思いもよらない事実に動揺が隠せない。 朝比奈から聞かされた話が本当なら……いや、そんなはずは…… 『今でも小太郎を愛してる』 数日前、化学室で言われた言葉が頭を過る。 「先生?先生?」 「……だ、大丈夫だ。続けろ。」

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