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淡いキス 13

「だよな…断られると思った。でも、本当にずっと好きな気持ちは変わってないんだよ。その証拠に今こうして迎えに来てるんだから。信じてくれ、小太郎…いや、小太郎…さん……」 「……だから、、」 だから…もう遅いと怒鳴りたい気持ちでいっぱいなのに…… その真剣な眼差しの洵也に、肝心な言葉が出てこない。 それに、正直、今の自分が分からなくなりつつあって、こわい。 当時一方的にフラれたのには理由があって、それは俺への愛からだって知ってしまったら…… 俺は…… 「……おまえ、今でも俺のことそんな好きなの?」 「好きだよ、大好き。高校の時からずっと、ずっと好き。やっと信じてくれた?」 「いや………」 信じるもなにも… 「…洵也…おまえのせいで……」 おまえのせいでどれだけ傷付いたか、 どれだけのトラウマを抱えたか、 ────本気で好きだったから、だから…… 「いや…いい。もう帰れ。」 でも…今更、そんなことを言ったって仕方ない。 「なんだよ、言いかけてやめるなよ!」 「なんでもない!」 「小太郎っ!!」

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