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年下の彼 3
「……先生と桐谷先輩との会話全部聞いてしまいました。」
「は?!」
「あ、えっと…誤解しないでください。元々、ペンケースを取り行ってきっぱり諦めようとした時に桐谷先輩が先にここに居たってだけです。考えてみたら毎回盗み聞きみたいなことしてすいません。本当に毎回タイミングが一緒で、今回も本当に偶然だったから……」
俺に怒られるんじゃないかと、気まずそうに俯き加減でそう言う星川だけど、
「いいよ、別に。」
別に怒るつもりもない。
確かに洵也絡みは毎回聞かれてるなって思ったけど本当に偶然なんだろう。
ただ、どうして急にそんな行動を取ったのか…それに、
「だからあんなキスしたのか?」
「え……」
「いつものキスより…」
いつもより激しかったと言う前に再び口を塞がれ……
「こんなキスなら僕らしいですか?」
そう告げた星川からのキスはいつも通り優しくて……
ちょっと切ないキスだった。
「……これできっぱり先生のこと諦められます。桐谷先輩と一緒に行くんですよね?」
「あの…星川……」
「もう、本当に…終わりにします。じゃあ……もう、僕帰りますから……おやすみなさい。」
「……お…やすみ…」
結局、否定も肯定も出来ないままバタンとドアが閉まった。
そして、俺の足元には……
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