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年下の彼 11

「…………だから…俺なりに真剣に考えたんだよ。」 目の前にいる星川を見上げ、そっと手を伸ばしてシャツの裾を握ると、やっと目が合った。 「………それで、俺ははっきり自分の気持ちが分かったからおまえを呼び出したんだ。それにこれ、返さなきゃいけなかったから…」 「……………え……せん…せ…?」 「おまえのペンケース…アメリカ行っちまったら返せないだろ?」 そう言って、毎日鞄の中に潜ませていたペンケースを取り出す。 「なに……言って…」 そのままシャツを掴んだ方とは逆の手でペンケースを差し出すと心底驚いた顔をされた。 「まさかペンケースを返す為だけにアメリカ行きを見送ったんですか?」 「そうだって言ったら?」 「………馬鹿ですよ、そんな…」 そして俺が渡したペンケースを素直に受け取りながらも吐き捨てるように悪態を吐く。 「馬鹿……でもいいよ。でも、俺にとってはずげー大事な事。」 「本当に、先生が何考えてるか分からない。まるで…桐谷先輩よりも僕のペンケースの方が大事みたいじゃないですか。」

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