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年下の彼 23
「3回目……」
「……んッ…………なに……が……」
「先生……今度イったら今日3回目ですね。」
ですね、じゃねーよ。
たくっ、余計なことを言いやがって……
「うるせ……ッ……黙ってろッ……」
「僕は嬉しいですよ、こんなに感じてる先生、多分……初めてだから。」
悪態を吐く気満々だったのに、そんな星川の返しでどうしてか一気に気分が沈む。
“多分……”
多分と濁したのに意味があるのか?
何故か深読みしてしまう……何もかも。
意味もなくこうして気持ちが不安定なのは……こいつに本気で惚れてるから、なのだろう……な。
「どうしました?」
「……いや。」
年下相手にこんな気持ちになるのは久しぶりで、自覚すればするほど忘れていた感覚が少しずつ蘇ってくる。
「……そんな顔するからますます好きになるんですよ。」
「は?」
「前に先生が僕に、自分のどこが好きかと聞いた時、僕は年上なのにほっとけないとこだと答えたじゃないですか。それです。」
「あ、うん……それ朝比奈にも言われた。」
「え……?朝比奈……先生?」
あ、朝比奈にも言われたのを思い出してつい名前を出して後悔……
「あ、いや……たまたま飲みに行った時に……言われただけ。」
星川の表情が一瞬曇った気がして咄嗟にそう言ったけど……
「……ッ……ちょっ……!んんッ……!」
握られたままだった俺のを急にぎゅーっと更に強く握られた。
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