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第5話「契約違反」
いつの間にかクローゼットにはドレスが増え、着せ替えドールにされていた。
「七瀬くんは何もしなくて良いですよ。」
服の着脱は勝手にされる為、仁王立ちで立っているだけで良かった。髪は丁寧にブラッシングされ、ヘッドドレスや髪飾りがセットされる。
満足するとベッドへ誘導される。
いくら隠れているとは言え、あそこに神経が集中しない様、意識的に賢者モードを発動し、息を止めたり、身体に傷みを与えたり、思い付く限りを尽くした。
しかし、精神的には逆効果だった。無駄に期待感だけが高まり、日に日に神経が蝕 われていった。
そして限界が訪れる。
「ご主人様。しんどいっす。」
「どうかしましたか?体調不良なら、今日は帰ってゆっくり休んで下さい。」
「もう、限界っす…」
たまらず目線をスカートに向け無言で訴えかけると、高橋が困惑顔を浮かべた。
少し考え込むと真剣な面差しで問われた。
「触 ってみても良いですか。」
素直に頷 く事しか出来なかった。心臓は期待からうるさいくらいに高鳴った。
高橋が、いつもの様にベッドの横に膝をついたまま、大きく乗り出した。
乾いた指先がするするとスカートの中をまさぐり、ウェストのゴムに指が掛かると、すでに硬くなったものが解放された。
洋服を汚さない様、ベッドサイドからティッシュが取り出される。
「自分の以外に触れるのは初めてです。」
親指で軽く先端をグリグリされ、そのまま人差し指と中指の2本で、先端と中心の境目を上下に解される。
「……っん、…っ」
体内の血液が一気に集中し、背筋がゾクゾクした。漏れそうになる声を必死で押さえる。
「七瀬くん。ゆっくり息を吐いて楽にして下さい。声も我慢しなくて良いですよ。」
中心を優しく握り込まれ、ゆっくり扱 かれる。動きに合わせて息を吐くと、小さく声が漏れた。
「はぁぁ…」
先端を大きな掌 ですっぽりと包み込まれると、ヌルリとした感触に快感が増した。
徐々に上がる手の速度に、とても自分のものとは思えない艶 かしい声が部屋に響き渡った。
「あっ…ん、いやっ……い、いく…あ、あ、んあぁっ!」
信じられないくらい、呆気なく達してしまった。
高橋はティッシュに放たれたものを丁寧に包み込み、綺麗に後処理をすると、頭にキスをした。
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