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第103話 俺の為
級長に質問されると、俺はダメみたい。
訊かれたことは勿論、訊かれてないことまでも素直に話してしまう。
4月にはまた転校してしまうことを告げると、暫し3人は言葉を失った。
「ごめんね。毎日みんなと一緒にいられることが楽しくて、俺…お別れするって、言えなかった」
俺にとって皆は久しぶりに出来た友達で、出来れば別れのカウントダウンなんかしないで過ごしていたかったから、なかなか伝えられなかった。
隠していたかった……のかもしれない。
「斗織とはね、3ヶ月で別れる男って聞いてたから、だから……ここに居る間だけ。初めから、そのつもりで、付き合ったんだ」
「トオルは、それ……」
リューガくんが一声を発する。
「知ってる。俺、斗織には言ったから」
「羽崎は、それで納得してんの!?」
中山がぐわっと詰め寄ってくる。
「だって、傍に居られないのに、縛れないだろ…」
「好きなのに、羽崎君のために身を引くつもりですか?」
級長が静かに、疑問を口にする。
俺は首を横に振って、その言葉を否定した。
「斗織の為じゃない。俺の為…なんだ」
そしてまた、何かを言われる前に、訊かれる前に、ベンチから立ち上がる。
「じゃあ、買い物行こっか。皆、なに食べたい?」
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