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第107話 来客

「リョーちん、魚は切らないのか? オレ やりたい!」 玉子焼き器を洗っていると、リューガくんが相変わらずのキラッキラの瞳で訴えてきた。 「魚は先に切っちゃうと空気に触れる部分が多くなって乾きやすくなっちゃうから、食べる直前にね。後でりぅがくんにお願いするよ」 タオルで手を拭いて振り返ると、 「じゃあ暫くやることないんだよな!」 手を引かれて部屋に連れていかれた。 ベッドに座らされて、その隣にボフンと飛び込んでくる。 「ベッド楽しーっ!」 普段は布団で寝てるらしいリューガくんは、ベッドの上でゴロゴロと転がってベッドを満喫してる。 可愛いなぁ。弟がいたらこんな感じかな、なんて。 「柴藤君、お疲れ様です。手伝いもせずにすみません」 級長が少し冷めた紅茶の入ったマグカップを渡してくれるから、ラグに座ってから受け取った。 「ううん、俺が作るからって誘ったのに、こっちこそ皆で作るものにさせちゃって…。今度はちゃんと作るからまた来て欲しいな。パスタでも、ご飯ものでも、作れる範囲でリクエストに応えるから」 「じゃあオレたらこスパ食いたいっ、リョーちん!」 「大豆田君は少し遠慮することを覚えるべきだと思いますよ」 「えーっ!じゃあ級長はもう来んなよ!?」 「柴藤君、僕は炊き込みご飯を頂きたいです」 「俺っ、柴藤の作る物ならなんでも食うから!」 「ふふっ、うん。ご期待に添える出来になればいいんだけど」 3人のやり取りが面白くて、笑いながらそう答えた。 その時、 ピンポン─── エントランスから来訪を知らせるチャイムが届いた。 「誰だろ?荷物なんか頼んだかな?」 モニターを覗くと、そこには……… 「え……なんで……!?」

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