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第110話 可愛くない上目遣い
靴を脱ぐ動きをピタリと止めた斗織が、徐ろに俺を見上げる。
あれ、あれっ?
下からの上目遣いは男でも可愛いって、級長は言ってたよね!?
なんで…?なんで斗織、兇悪な顔になっちゃってるの───!?
「遼…?」
「はっ、はい!!なんですか?!」
「俺がいないとテメェは、他の男に懐くのか?」
「えっ!?懐かないよっ!…です…」
あんまりにも顔が怖くて、慌てて敬語に修正する。
「………」
「…と…ぉる……?」
「なら!」
「ぴゃっ…?!」
ビックリしすぎて変な声が出た。
フザケてるって怒られるかも───!!
慌てて両手で口を塞いだ。
「………」
斗織は口を閉ざして、何も話そうとしない。
……呆れちゃった?
どうしよう……、怒られるならまだ…
だけど、呆れて俺に興味が無くなっちゃったりしたら、俺………
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