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第115話 お姉ちゃん

楽しい食事が終わって、今はまったりタイム中。 洗い物は級長と中山が、斗織はおつかれさんって俺に膝枕してくれた。 別に疲れてなかったんだけど、2人が洗い物してくれてる間だけ、斗織の膝に頭を預けた。 だって、着物の斗織…かっこ良くて色っぽい。 2人にも、汚れるといけないからエプロン出そうか?って訊いてみると、大丈夫だからって全力でお断りされた。 フリルがないシンプルバージョンのエプロンもあるのに。 絶対、乙女系しか無いんだろうって誤解されてる。 リューガくんと中山がレースゲームで対戦しているのを見ながら、斗織の肩に寄りかかってちょっとだけウトウトしていると、 「…ん?聖一郎さんか?」 玄関の方を振り返って、斗織が呟いた。 「ん?父さん…?」 こんな時間に? また仕事の移動中、近くを通りがかったのかな? 玄関と室内を遮るパーテーションに目をやると、 ドアがバンッと大きく開かれる音が響いた。 違う。この開け方は─── 「遼ちゃーん!逢いたかったぁ!!」 お姉ちゃんだ。 5人もいる中迷わず俺を見つけると、元気に飛びついてくる。 その後ろから、困り顔の父さんが顔を覗かせた。 「こんにちは。いらっしゃい、遼司の父です。ごめんね、邪魔してしまって」 「ああ、遼ちゃんっ、可愛いっ、癒やされるっっ!」 父さんが、多分皆に挨拶してるんだけど、お姉ちゃんの声が耳元で大き過ぎて、何を言ってるんだか全然聞こえない。 「締め切り明けはやっぱり遼ちゃんね。ああっ、もう可愛い可愛いっ!んちゅーーっ」 思い切り抱き締めると、ほっぺにちゅーって吸い付いてくる。 相変わらず、元気なお姉ちゃん。

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