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第135話 腐男子じゃない

リューガくんのお母さんは、やっぱりリューガくんのお母さん。と言うか…… とっても小柄で優しい雰囲気の人だった。 うちの母さんも小さい方だけど、それより5cm以上低いかな。 だって、並んで立つリューガくんが大きく見えたもん。 斗織のお母さんは、遠目だったけど……、背の高い人だったかなぁ。 斗織と並んで歩いてたのを見た時、リューガくんと一緒に居る姿よりも身長差が無いように見えた。 綺麗で、強そうな人だった。 俺、斗織の恋人に相応しくないって拒絶されたら、ちゃんと言い返せるかな…? 太刀打ちできるかなぁ……? ちなみに、リューガくんのお家は、母屋にお祖父さん夫婦とお父さん夫婦の部屋。リューガくん、弟、妹、3人兄弟の子供部屋は離れの中にある。 更に、道場、蔵、絵に描いたような錦鯉の泳ぐ池のある庭があったりして…。 これで電気機器が無くてリューガくん家族が着物を着てたりしたら、ほんと武家屋敷みたいだ。 「大豆田君のお母上、可愛らしい方でしたね」 離れのリューガくんの部屋に皆で布団を敷きながら、級長がフッと笑みを零した。 リューガくんは布団を敷く手を止めると、級長を目に映して眉を顰める。 「はぁ!?…なんだよ級長、うちのかーちゃんのことエロい目で見んなよな!」 「見ていませんよ」 わぁっ!ヤキモチかな?ヤキモチなのかな、リューガくんっ。 ドキドキする胸を押さえて2人を見守りながら、 ───あ、あれ? 俺、なんで2人の成り行きがこんなに気になっちゃってんだろう? ふと疑問を覚えた。 えっ、とぉ…… とっ、友達だからだよね?!友達の恋愛ってやっぱり応援したいじゃん!だから、それでドキドキしちゃうだけの話だよね?! 俺、級長に感化されて腐男子になっちゃったわけじゃないよね!? 「遼…?」 「はっ、はいっ?! 俺もりぅがくんのお母さん、可愛いと思いますっ!」 「はあ?」 声を掛けられて慌てたまま答えると、斗織に呆れたような不審げな視線を向けられた。 う、…うぅ。確かに自分でも変なこと言った気はするけどさぁ、そんな目で見なくたっていいじゃんよー! 「なに? お前年増好き?」 斗織の言葉に慌てて首を横に振る。 「トオル! なにうちのかーちゃんのこと年増とか言ってんだよ!」 後ろから枕を投げつけるリューガくん。 そうだよ! 斗織、今の大分失礼だったぞ。 せめて年上とか、人妻とか……うぅん? 人妻って、高校生が口にすべき言葉じゃないなぁ。 禁断の、って感じ。

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