「遼…」 俺も自分の寝る布団を敷いてる最中なのに、正面からぎゅっと抱き締められた。 そのまま膝に乗せられて、なんだろうと思ってると、布団にゴロンと横たえられる。 「どうしたの？」 身体に覆いかぶさってくるから、背中をトントンと規則的に優しくたたいた。 「知らねェ。……ヤキモチかもな」 「んー…？」 ヤキモチ…？ ヤキモチ焼くようなこと、なんかあったかなぁ?? でも、良くわかんないけど、俺が焼かせちゃったってことなんだよね。 申し訳ないとは思うんだけど、なんだかそれって……ちょっと嬉しい。 慰めるために背中に回した手でぎゅっと抱き締めて、反対の手で頭を撫でた。 ちょっと硬めの髪に指を通して梳くように撫でていると、斗織が徐ろに顔を上げて鎖骨にちゅって吸い付いてくる。 「ぁっ…、やぁん、くすぐったい～っ」 唇は徐々に首筋まで上がってきて、舌が肌をザラリと舐め上げる。 「ん、…んんーッ」 少し硬くなったものを太股にゴリ、と押し当てられて、鼻から甘い声が抜けていった。 服の裾から差し入れられた掌が脇腹をくすぐる。 「紫藤君、布団は敷き終わりましたか？ そろそろお風呂に行くそうですよ」 パンパン、と手を叩く音に、ハッと意識を取り戻した。 「あっ、はい！もう少しです！」 身を起こそうとすると、斗織がひとつ舌打ちをして手を引き起こしてくれる。 リューガくんが障子の陰からそっとこっちを窺ってた。 顔が真っ赤だ。 「……すみません、きぅちょう…」 「いえ。僕にはご馳走ですから」 その言い方も…どうかとは思う……。 「つーか、マジで5人で入んのかよ」 自分の布団だけさっさと用意して、斗織が溜息混じりに前髪を掻き上げた。 ……やっぱり俺のカレシ、イケメン。かっこいい！ 髪を掻きあげる姿を見つめてハートを飛ばしてると、俺に布団から下りるよう言って、俺の分までシーツを綺麗に敷いてくれる。 かっこ良くて優しいって、斗織ってば最強じゃない!? お礼を言って腕に抱きつくと、逆の手で頭を撫でてくれた。