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第147話 しょーがないじゃん

ちぇーっ。 結局斗織は俺の体を引き剥がして、帰っていきましたとさ。 でも俺、淋しくないもん……。 だって、誕生日は一日中独り占めできるんでしょ? ベッドに腰かけて、足をバタバタって振り回す。 昨日、斗織が座ってたクッションをぎゅーって抱きしめて。 ……まあ、普段俺が使ってるやつだけども。 でも、斗織のにおいが残ってるかもしんない。 クンクン…………… ………うん。うちの匂いだ。 ちぇーっ。 クッションを放り出して、立ち上がる。 持ち帰ったパジャマとルームウェア、洗濯に出さなきゃ。 それから、掃除機掛けて。 早く解散したから、夕飯までまだ全然時間余ってるし。 「………………ヒマーーっ!!」 ベッドに身を横たえて、ちょっとだけ鼻をスンって啜る。 今日、用事とかあったのかな? それとも、俺と2人じゃ空気持たないと思った、とか? 俺、つまんないかな? ……だよなぁ。独りで居たって何をするわけでもない。 って言うか、勉強、テレビ、ゲーム、家事ぐらいしかやらないし、今も1人で「ヒマ!」とか言ってるし。 つまんないやつかも、俺。 でも、2人でいたら1人じゃできないこと───ちゅー…とかさ、イチャイチャしてさ、きもちいいこと、しあわせなこといーっぱい! ………って、それ昨夜もしてくれたもんなぁ。皆に気付かれないようにこっそりと。 流石に2日連続は求め過ぎ? 俺、1人でがっついちゃってる? でもさ、斗織ともっといっぱい、隙間なく一つになりたい……とか、思っちゃうんだもん。 好きなんだもん。しょーがないじゃん。
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