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第150話 内臓と脳髄
髪をくしゃくしゃって掻き混ぜながら、今のやり取りを初めから読み返す。
俺、愛されてるよね?
だって、俺のこと、全部斗織のものだって言ってくれてる。
それに、直接なら言ってくれるもん。
文字にすると残っちゃうから、恥ずかしいのかもしれないし。
家族に見られたら、困っちゃうだろうし。
……俺、いっぱい好きって書いちゃったけど、……消した方がいいかなぁ。
ピポパンってスマホが鳴る。
誰だろ?級長かな?なんて、下がっていた視線を戻して、思わず俺は目を見開いてしまった。
そこには───
「好きだーっ!!」
って叫んでる、強面の男のスタンプ。
「えっ……え、待って、好きだって、…斗織!?」
前のメッセージと合わせて読んでみる。
『これから用事でスマホ取れなくなるから……』
違う、これじゃなくて。
『遼の内臓もなにもかも
好きだーっ!!』
ってこと?だよね!?
「ひぃやぁっ…」
恥ずかしくて嬉しくて、変な悲鳴が上がっちゃう。
まずいまずい、俺、内臓ごと愛されちゃってるっ!
返事しなくていいって言われたけど……
『俺も、斗織の脳髄まで全部、愛してます!』
そう送って、堪えきれない笑みを口元からふふっと溢れさせたのだった。
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