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第171話 可愛がる
【斗織Side】
好きに擦りつかせといて、こっちも勝手に話を進める。
早く話終えねェと、俺の事情が持たねーし。
「で、マナちゃんが提案してくれたんだけどな、うちの母親、血の繋がんねー養子じゃ納得しねェかもって。んで、その1才児に跡を継がせんのはどうかってな」
「えっ、それで、どうなったの?」
不安そうな色を滲ませた顔を掌で撫でて、安心させるよう笑ってやる。
「兄さんが、将来的に真衣がやりたいつったら良いって。取り敢えず保留だけど、一歩前進」
「えっ、すごい…すごい! マナちゃん先生、魔法使い!」
妙な表現をして喜ぶ遼の頭を、俺も嬉しくなって撫でてやる。
「だからまあ、真衣のことすんげー甘やかして、継ぐって言わせることにした」
「あ……」
小さくそう呟くと、一瞬前までの笑顔が嘘みたいに、何故か遼は突然顔を曇らせた。
「んだよ?」
下がりかけた顔を、額に手を当てて上向かさせる。
「ん、だって……斗織、俺より、真衣ちゃん?…のこと、可愛がりそう…」
「ヤキモチか?」と訊ねれば、「ごめんなさい」と頭を下げる。
何を謝ってんだか。
「まあ、俺がこうやって可愛がんのは、お前だけだけどな」
ついと手を伸ばしてソコに触れると、遼はビクリと体を震わせ徐に俺の顔を見上げた。
その赤く染まった肌に、潤んだ目元に、触られていない俺のソコも勝手に反応する。
「まあ一応の進歩は見せただろ。安心したとこで、もう話は終わりだ。ヤるぞ、遼」
「う……と、…もうちょっと、雰囲気ある誘い方してもいいと思います…」
意見してきた遼の頭を「生意気」と笑いながら小突くと、恨みがましい目を向けられた。
けど握ったとこを揉みしだいてやれば、その目はやがて、もっとと強請るような求める視線に変わる。
「ん…、んん、ぁ…」
口からは、はぁ、と甘い吐息が漏れ。
「お前さ、初めに付き合ったのが俺で良かったよな。女にシコられてそんなんなってたら、使い物になんねェもんな」
意地悪くそう言えば、
「こんなになるの、斗織相手だからだもん…っ」
吐息混じりのやけに艶っぽい声で責められた。
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