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第173話 終業式

二学期終業式を終えて、体育館から教室へ戻る。 通知表を受け取って、担任の廣瀬先生から新学期の連絡事項や冬休み中の注意事項のプリントを「めんどくせーから各自読んどけ」って配られたら、今日はおしまい。 用のない者はすぐに下校するようにと言われた。 面倒だから休み中に問題を起こすな。俺を休ませてくれ。おとなしく過ごせよ、くれぐれもだぞ。じゃあ良い年を。 後ろ手を振って、廣瀬先生は職員室へ戻って行った。 先生はきっと、来年も変わらず『ヒロセン』でいるんだろう。 通知表は、5段階で今回も殆ど5が取れた。 美術は4、体育は3。 順位は安定の2位だった。 級長は何気に運動能力も優れているから、通知表を見たことはないけど、実はオール5なんじゃないかなって密かに疑ってる。 斗織は……どうだったんだろう? この前のテスト結果良かったみたいだし、成績表の評価も上がったかな。 上がってるといいな。 茶道部の顧問に用があるからと教室を出て行った斗織を待って、スマホを弄りながら足をブラブラ揺らしていると、 「リョーちん!」 声を弾ませたリューガくんに名前を呼ばれた。 「なあに?」 「今日空いてる?」 「今日……?」 今日は12月23日。 明日はクリスマスイヴで、俺の誕生日だ。 だから今晩は斗織が泊まりに来てくれることになってて、それを伝えたら父さんも今日は行くところがあるからって。 気を遣ってくれたのかな? 仕事なのかな? でもまあ、そんな訳で今夜は斗織と2人きりの夜。 日が変わったと同時に祝わせろよって。 俺がいつも11時には寝るよって言ったら、ちょっと渋い顔でそう言われた。

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