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第174話 クリスマスパーティー

「えっとね、夜は斗織が泊まりに来てくれることになってるから、それまでなら大丈夫」 木曜日だから、斗織は茶道のお教室がある。 だから、それが終わったらすぐに来てくれるって。 一緒にご飯食べて、一緒にお風呂に入って、一緒に寝ようねって約束してる。 「そっか。リョーちん明日誕生日だもんな。よかったな」 ニカって笑うリューガくんに、頷いて笑い返す。 「うん。でも、りぅがくんも俺の誕生日知ってたんだ」 なんで? と首を傾げると、笑いながら沙綾さんから聞いた、と教えてくれる。 だからか。斗織が俺の誕生日知ってたの。 謎はすべて解けた! 「んじゃ、斗織と落ち合うまでならオッケー? クリスマスパーティ、クラスの奴に誘われたんだけど」 あいつら、とリューガくんの示す方を見ると、気付いた一人が手を上げて合図してきた。 3人いる内、残りの2人はクラスでもおとなしめの高原くんを挟んで、やっぱりパーティに誘ってるみたい。 高原くんはちょっと困った様子で、自分より背の高い2人にビクビクと肩を震わせてる。 「こら、高原イジメんな!」 大きな声で彼らに声を掛けたリューガくんは、あいつら悪いヤツじゃないんだけどさぁ、と苦笑して教卓の椅子にドカッと座った。 「なんか、話してみたいからリョーちんも誘ってくれってさ」 「クリスマスパーティ…」 皆──いつもの5人では、25日に級長の家でパーティって約束してる。 級長が「僕に任せて下さい!」ってやたらと張り切ってくれてて、俺たちはプレゼント交換用のプレゼントだけを持参すればいいんだって。 「あ、でも会費かかるって。メシ代で1500円ぐらい」 「あ、うん。それくらいなら」 楽しそうだけど斗織もいないし、夜ご飯の用意もあるしどうしようかと考えてると。 「紫藤君に大豆田君に高原君……」 隣で同じように斗織を待ってた級長が、ぼそりと呟いた。 振り返ると、眉間に皺を寄せて何か考え込んでいる。 「クラスの三大受け要員……」 ………よし、聞かなかったことにしよう。

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