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第179話 守ってあげないと

キター! 級長×リューガくん!! 驚くリューガくん(ミニスカポリス)を抱き上げ、3人掛けソファーに戻っていく級長。 自分が腰を下ろすのと一緒に、その小さな体を抱きかかえる様に座った。 だっこだ! かわいい!! 「なんで!? えっ、なにが?!」って真っ赤になって騒いでるリューガくんが、ムリヤリ女装させられました感満載で、もう! ……って、おかしいおかしい。俺腐男子じゃないもん。 なに級長×リューガくん、とか言って悶えてんの。 リューガくんがちっちゃ可愛いのがいけないのかなぁ、もー。 「紫藤、高原」 平常心、平常心、と心の中で唱えていると、ふと3人の内の誰かから声を掛けられた。 「なあに?」 首を傾げると、おおっ! と野太い声があがる。 なんだなんだ、気色悪いな。 「すっげかわいー、2人共!」 田中くんは私服でもフード付きトレーナーを好んで着るみたい。 萌え袖、って言うんだっけ。長めの袖から指先だけ出して、おいでおいでと手招きされる。 「メイドさんは、ここでご奉仕よろ~」 白T、黒ベストに革チョーカーのチャラ眼鏡、山田くんが自分と田中くんの隙間をポンポン叩く。 「じゃ、紫藤はこっちな」 皮ジャン、黒ベースに(シルバー)のアクセを沢山つけた佐藤くんが、ジャラジャラ音をさせながら自分の座る2人掛けのソファーの隣を指差した。 えー……、ちょっとやだなぁ。どうしようかなぁ……、とひろたんの様子を見やれば、両手でスカートの裾を握り締めて、心細そうに見上げられる。 ───俺が守ってあげないと!! キュン、と庇護欲を撃ち抜かれた。 父性?母性? 良く分かんないけど、俺の中にそう言うものが芽生えたんだと思う。

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