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第180話 ピュアなあの子

級長たちの座るソファーは3人掛け。 級長がリューガくんを抱っこしてても、残る席は一つだけ。 例えば中山に佐藤くんの隣に移ってもらって俺たちが3人掛けに並んだとして、俺たちはそれで安全だけど、きっとあいつらは納得しないだろう。 だって、それで満足するような連中なら、きっと男に女装なんてさせないで、リアルに男だけで楽しくパーティ出来る筈だもん。 だから、残る一席はひろたんに譲るとして、……やだやだ!俺も佐藤くんの隣でエロいことされちゃうの絶対やだ! エロいことしない人……、級長の他には中山しかいないけど、中山の膝にだって俺は座りたくない! 斗織の膝に誰か他のやつが座ってたら、男だろうが女だろうが、俺 嫉妬の炎メラメラさせちゃうもん。 斗織だってきっと、俺が他の誰かの膝に座ったって聞いたらいい気はしない。 頭をフルに働かせて、多分ここまでの考察時間、3秒程度。 不安げなひろたんの表情は変わらなくて、守ってあげるからね!と心で話しかけながら、その耳元にそっと問い掛ける。 「ひろたん、恋人いる?」 「えっ…?……いないっ」 真っ赤な顔で首を横に振る。 「じゃあ、中山は嫌い?」 「ううんっ、すき。…あっ、嫌いじゃない、平気っ」 恋人いない、中山は平気。だったら…… ひろたんの手を掴んで、勿論右側、級長たちの座るソファーへ向かう。 ひろたんを先に歩かせて、中山の前でストップ。 「中山も、だっこしてね」 「へっ、…紫藤!?」 ガタッと二人分の体重が乗ったソファーを動かすぐらいビックリして立ち上がった中山の、その隣にドカッと腰を下ろした。 「俺この席がいい」 譲らないぞと腕を組んで、ふんぞり返って前の2人に笑い掛ける。 どーだ、俺の作戦は! 「えっ、りょーくん、僕は?」 ひろたんにまだ不安な顔させて。もーっ、中山は! 「中山、座る!」 バシッとソファーの背もたれを叩くと、中山は頭に?マークを浮かべた表情のままソファーに腰を下ろした。 で、俺は更にその太腿をぺしぺし叩いてみせる。 「ひろたんはここ」 「えっ…」 「えっ!?」 「うるさい、中山。こーこ」 掴んで引き寄せようとすると、ひろたんの手はするりと抜け出し、真っ赤になった顔を両手で覆い隠した。 かわいい~。ピュア!なんか純粋って言うか、…ああ、かわいーっ。 俺も斗織相手にこんな反応してみたい! 絶対、可愛いって思ってもらえるもん!

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